国際情報

上海市トップに習主席の腹心内定 上海閥は弱体化

上海閥への影響は?

 今年秋に開かれる中国共産党の第19回党大会で、中国上海市のトップである中国共産党上海市委員会書記に応勇・上海市長が昇格する指導部人事が内定したことが明らかになった。応氏は習近平国家主席の腹心として知られ、今年1月に市長に就任したばかりなだけに、上海市トップ人事は習氏の意向が強く働いているのは確実だろう。党大会を機に、習氏の権力基盤強化を図る狙いがある。

 米国を拠点にする中国問題専門の華字ニュースサイト「博聞新聞網」によると、現在の市党委書記である韓正氏(党政治局員)は近く、中国人民政治協商会議(政協)副主席に転じ、党大会で党最高指導部である政治局常務委員会入りし、来年春に政協主席に昇格する見通しだ。

 韓氏の後任となる応氏は1957年11月、浙江省生まれで59歳。浙江省の地方幹部出身で、習氏が浙江省トップ時代に部下として仕え、浙江省公安庁副庁長、省高級法院(裁判所)の院長などを歴任し、習氏を支えてきた。習氏が2007年に上海市党委書記として転任した際、応氏も習氏とともに上海に転じ、上海市高級法院院長に任命された。

 今年1月に市長に昇格したが、まだ党中央委員でもない応氏の市長抜擢は極めて異例で、習氏が直々に抜擢したとみられる。

 このような習氏による一本釣り人事は首都・北京市のトップ人事でもみられ、蔡奇市長が今年1月、北京市党委書記に昇格した。蔡氏も応氏と同じく、習氏が浙江省トップ時代の腹心であり、一般党員(平党員)だ。

 このほか、北京、上海同様、直轄市である四川省重慶市のトップも最近、孫政才・党政治局員が解任され、習氏の腹心の陳敏爾・貴州省党委書記が就任した。陳氏も浙江グループといってよい。

関連キーワード

トピックス

若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「正しい保守のあり方」「政権の右傾化への憂慮」などについて語った前外相。岩屋毅氏
「高市首相は中国の誤解を解くために説明すべき」「右傾化すれば政権を問わずアラートを出す」前外相・岩屋毅氏がピシャリ《“存立危機事態”発言を中学生記者が直撃》
NEWSポストセブン
3児の母となった加藤あい(43)
3児の母となった加藤あいが語る「母親として強くなってきた」 楽観的に子育てを楽しむ姿勢と「好奇心を大切にしてほしい」の思い
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
神戸ストーカー刺殺“金髪メッシュ男” 谷本将志被告が起訴、「娘がいない日常に慣れることはありません」被害者の両親が明かした“癒えぬ悲しみ”
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
木瀬親方
木瀬親方が弟子の暴力問題の「2階級降格」で理事選への出馬が絶望的に 出羽海一門は候補者調整遅れていたが、元大関・栃東の玉ノ井親方が理事の有力候補に
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン