国際情報

北朝鮮のミサイルの脅威から日本は自国を守れるか?

日本は自国を守れるか?(写真/アフロ)

 日本海を挟んだだけの隣国である日本にとって、北朝鮮のミサイルは、やはり脅威の対象だ。それぞれの飛距離を比べてみると、『スカッドER』と『ノドン』は、すでに日本に到達可能。ノドンに至っては、日本全土がほぼ射程域に入る可能性がある。北朝鮮で発射された場合、日本へは約10分で到達すると予測されている。

 1998年に初めて日本を越えたと話題になった『テポドン1号』は、飛行距離が1500km以上といわれ、日本上空を通過して太平洋に落下した。

 北朝鮮の軍事兵器に詳しい軍事評論家の岡部いさくさんはこう語る。

「テポドンは人工衛星として打ち上げられましたが、実際は弾道ミサイルでした。わかりやすく言うと、ノドンミサイルの上にスカッド1つをのせた2段式。2つのミサイルを組み合わせたので、その分、遠くまで飛びました。

 その後も持っているミサイルを組み合わせたりして、改良を重ね、テポドン2まで開発していますが、これは人工衛星を飛ばすような大きな発射場が必要なので、上空から見たら丸見え。空爆されやすく、実戦には不向きでした」

 現在、北朝鮮が開発に力を注いでいる弾道ミサイルは、液体燃料を使用する『火星』シリーズと、固体燃料を使用する『北極星』シリーズの2つ。

「これまで北朝鮮が開発してきた液体燃料を使用するミサイルは発射までに30~90分かかります。

 一方、固体燃料のミサイルは発射まで約5分といわれ、すぐに発射できます。それに液体燃料に比べて保管も利き、小さいため、潜水艦からも発射できます。潜水艦なら海に潜ってしまえば、上空からの追跡を逃れやすい。わざわざ大陸間を横断できるミサイルを作らなくても、近くの海上から攻撃をしかけることが可能となります」

 世界のミサイル保有国では、現在、固体燃料が主流のため、北朝鮮もその技術を持っている可能性が高い。それもあって、軍事兵器の専門家たちは、北朝鮮の『北極星』シリーズを危険視している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン