ライフ

「ビールと唐揚げ」で太らない? 医師が勧める衝撃の減量法

糖質が多いと思われてきたビールの常識が変わった!

 今年の夏こそダイエットを成功させるぞ! と固い意志で実行している人は多いだろう。おそらくそのほとんどが米やパンに代表される炭水化物や脂ギトギトの肉、ビールなど“ダイエットの天敵”と思われている食品の摂取を極力減らし、「腹八分目でカロリーを抑える」方法を選択しているのではなかろうか。

 だが、現役医師から「ビールをたくさん飲みながら唐揚げを腹いっぱい食べても痩せられる」とアドバイスされたら、こんなに嬉しいことはないはず。『カロリー制限の大罪(幻冬舎新書)』の著者で、北里研究所病院・糖尿病センター長の山田悟医師が、まさにその医師である。山田氏が推奨するダイエット食とはどんなものなのか。

 * * *
──先生は「緩やかな糖質制限」さえすれば、あとは肉でも魚でも満腹になるまで食べても痩せられるという「ロカボ(低糖質を意味するローカーボハイドレートの略)」の食事法を提唱されていますね。

山田:はい。ダイエットといえば極端なカロリー制限を続けることがもっとも効果的と思われていますが、それは大きな間違いです。

 肥満や深刻な生活習慣病を引き起こす大きな要因は食後高血糖です。日本人の6人に1人、40歳以上ともなると3人に1人が糖尿病予備軍といわれていますが、そうした血糖異常はまず食後に高血糖として表れます。そこで、糖質の摂取量を1食20~40g、間食10gを合わせて、1日70~130gに抑えることで血糖の上昇を防ぐ食事法です。

 そして、ロカボで一番大事なのは、糖質の高い食べ物にさえ注意すれば、あとはカロリーなど気にせずに肉や魚に含まれるたんぱく質や脂、そして野菜を満腹になるまで食べても大丈夫ということです。

 むしろそのほうが基礎代謝が上がってエネルギー消費を促してくれます。実際、たんぱく質や脂質の摂取を増やせば増やすほど食後血糖値の上昇を防ぐことができるというデータが世界各地で報告されています。

──糖質の多い主食でも、白米は1食70g(ご飯茶わん半膳)、食パンなら1枚(6枚切り)は食べてもよいとされていますね。

山田:主食を抜いて完全な糖質制限をしようと思ったら、「MEC食」といって肉(ミート)と卵(エッグ)、チーズだけ食べましょうということになりがちですが、そんな食生活は楽しく続けられるはずがありませんよね。野菜でも厳密に選んでいけば、キャベツや玉ねぎにも糖質が含まれているので、食べられるのはブロッコリーやカリフラワーといったものだけになってしまいます。

 それよりも、食事を楽しむためにも必要最低限の糖質は摂りつつ、肉や魚、野菜料理を一緒にたくさん食べる習慣をつければ、自然と血糖値の上昇を抑えることができるのです。

 単純なことをいえば、白米だけ食べるよりも、油を使ってチャーハンにしたり、たんぱく質である卵をかけて食べたほうが血糖値のピークは低く抑えられます。麺類でも、ざるそばや素麺だけを食べるのではなく、天ぷらなどの揚げ物でもいいですし、かしわや卵焼きをつけるなど、おかずと一緒に食べたほうが食後血糖の抑制には効果的です。

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン