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日本兵と心を通わせた豹「ハチ」の物語【後編】

「図書館のシンボルマークとしてハチのイラストを使用しており、年に1回、8月第1週の日曜日には、紙芝居を使ったハチの読み聞かせイベントも開いています。戦争を知ることの大切さ、そして知るための場を作ってくれているのが、ハチなのです。写真のみならず剥製まであると、子供たちに伝わるものが大きい。実際、初めて来たかたは皆、剥製に目がとまりますから」

 ハチの紙芝居は5種類あり、市内の図書館や小学校、幼稚園にも貸し出しているという。同館の前館長・澤田邦子さんもこう話す。

「平和教材として『ハチからのメッセージ』という冊子も作成しました。平和の尊さを後世に伝える上で、ハチのエピソードがいちばんわかりやすいと思ったのです。忘れられないのが、元鯨部隊のかたが来館した時のこと。剥製の前で涙を流しながら話しかけているんです。ハチの前からずっと動かず、向き合うようにしてね。戦争で殺された動物たちはたくさんいましたが、ハチが貴重なのは、剥製として残っていること。触れ合うことで伝わるメッセージがあるのです」

 読み聞かせイベントの後、子供たちはみんなでハチの絵を描き、展示スペースに飾った。人間とともに生きたあの当時のハチがよみがえる、愛にあふれたイラストばかりだった。

※女性セブン2017年8月24・31日号

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