ライフ

健康のため電車やバスで座らない高齢者には不要な負担かかる

「歩くほど健康になる」は間違いだという

 健康長寿には「適度な運動」が大切だが、この「適度」の判断が難しい。65歳以上の運動には常にリスクが潜んでいる。

「“歩けば歩くほど健康になる”という常識は大間違いです」

 そう語るのは、東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利氏だ。青柳氏は、2000年から群馬・中之条町の65歳以上の住民を対象に大規模調査を行なった。

「研究の結果、1日8000歩以上歩いても健康増進や病気予防にはほとんど意味がないことが分かりました。健康長寿の理想は『1日8000歩、20分の早歩き』です。

 また、高齢者には『早朝の散歩』を励行する人が多いが、朝は血液がドロドロの状態のため血栓が詰まりやすく、動脈中の活性炭素を増やし、動脈硬化から心筋梗塞や脳卒中になる怖れがある。歩くなら夕方の方が適切です」(同前)

 また、健康のために「エレベーターより階段」を選ぶのも危ない。

「階段を降りる時は膝の半月板や靭帯に大きな負荷がかかります。半月板と靭帯は筋肉と違って鍛えられないため、65歳オーバーは無要な負荷を避けるべき。

『電車やバスで椅子に座らない』ことも軟骨部分に不要な負荷をかけます」(戸田リウマチ科クリニックの戸田佳孝医師)

※週刊ポスト2017年8月18・25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン