「『それいゆ』でもパソコンが水浸しになって故障するという騒動が起きていたんです。一体、誰がやったのかははっきりしないのですが…」(『それいゆ』関係者)
介護の仕事は体力的にもきつく、ストレスが溜まりやすい仕事だ。休みも少なく、ふさぎこんでしまうことも多い。『それいゆ』の勤務形態は他の施設より厳しく、月に8~9回の夜勤をこなす職員もいたという。
「Aさんは周囲に『夜勤が多い。減らしてほしいといくらお願いしても聞いてもらえない。もうやってられない』と不満を漏らしていたそうです。同僚から、“つきあいにくい人”と思われていたことも、『それいゆ』を辞めることになってしまった原因ではないでしょうか」(前出・Aさんの知人)
今回の問題の真相はわからない。ただ、介護現場が虐待を招きやすい構造になっていることは確かだ。ケアマネジャーの経験を持つ淑徳大学の結城康博教授(社会福祉学)が指摘する。
「高齢化で施設が増える一方、給料が安い介護職員は慢性的な人材不足を抱えているので、技術や経験、モラルの低い職員が増えているように感じます。また、職員の研修制度を整えていない施設も増えています。たとえば認知症の入所者が暴力的になったり悪口を言ったりしたとき、経験の少ない職員だとケアできず、逆恨みから虐待に走ることもある。職員の待遇改善や研修制度の充実が急務です」
“被害者”が認知症を患っていることもあり、決定的な証言がなく、警察の捜査は長期化が予想されている。真相解明が待たれる。
※女性セブン2017年9月7日号