ライフ

「神戸の台所」で名物・皮くじらをわさび醤油で食べてみれば

飲んでよし、食べてよしと常連客が今宵も集合

 六甲に連なる山なみを遥かに望む気持ちのいい風景の中を、神戸電鉄湊川駅から歩くこと数分で兵庫区東山の『酒のシマダ』に着く。

 店は交通量の多い大通りに面してはいるが、隣りには大銀杏に護られた東山追分地蔵の祠などがあり、あわただしさをほどよく打ち消したのんびりエリアに建っている。
 
 だが、創業70年になるこの酒屋の立ち飲みスペースでは、早い時間から馴染み客が顔を揃え、店主の大櫛隆司(おおくしたかし)さん(48歳)が忙しく立ち働いていた。

「実は、学生時代にここでアルバイトをしていたんですよ。卒業してサラリーマンになってからは、客として、ごくたまに立ち寄るぐらいだったんですけどね。あるとき、先代から、俺、引退したいんだけど代わりに店をやってくれないかとの話がありまして。悩みましたが、20年のサラリーマン生活をやめて引き受けることにしました」

 同店で2年間働きながらノウハウを学び、正式に代替わりして6年目に入った。「常連さんが馴染んでいる屋号でしたから、特に変える必要はないと考えたんです」(大櫛さん)と、酒屋部門をカタカナの『酒のシマダ』、立ち飲み部門をひらがなの『立ち飲み処しまだ』と使い分けただけで、そのままで通している。

「客の立場から言わせてもらうと、酒屋部門と立ち飲み部門をセパレートして、区切ったのは大正解ですよ。昭和だったら酒屋の中でそのまま立ち飲みが当然だったけれど、平成の時代は酒屋の客と立ち飲み客それぞれに気を配らなけりゃいけないでしょ? そんな意味では、時代に寄り添っているよね。でも、そうしたことでのんびり飲めるから逆に昔ながらのいい風情が出ているって気もするし」(50代、会社員)

「前のおやじさんがやっていた頃から、かれこれ40年は世話になってます。昭和の頃は平屋だったが、思い返せばまさにいい風情があったね。今は5階建てマンションの1階。でも、酒が安く飲めるのは昔と全然変わってないし、彼(大櫛さん)の酒の品揃えが半端じゃない。あてもしっかり作って、最高にうまいものを食べさせてもらってる。泣かせる店になりましたよ」(60代、観光ボランティア)

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト