安倍側近の下村博文・元文科相、萩生田光一・前官房副長官らが丸川珠代・前五輪相を擁立しようとしているのに対し、平将明・元内閣府副大臣ら若手は石破派の鴨下一郎・元環境相の擁立に動いて真っ二つに割れている。これは2018年秋に控える自民党総裁選の前哨戦ともいわれるが、むしろ背後にあるのは小池百合子・東京都知事の政権攪乱戦略だ。政治評論家の有馬晴海氏が指摘する。
「官邸が一番警戒しているのは小池新党の国政進出の動きです。内閣改造前、小池都知事と仲がいい野田聖子氏が日本ファーストの会の総裁に就任するという情報が流れた。安倍首相が反対派の野田氏を総務相に起用したのは閣内に取り込むことでそれを防ぐためだったという側面がある。
首相はわざわざ『小池を敵に回すな』といっており、野田氏を仲介役になんとか小池を懐柔したいと考えているはずです。しかし、足元の自民党内では浮き足だった東京の平沢氏、大阪の竹本氏ら無党派層が多い大都市圏を選挙区にする議員たちが『明日の日本』というより、『明日の自分たち』のために安倍首相を早く引きずり降ろすしかないと勉強会を立ちあげた。いつ安倍降ろしに動き出すか一触即発のきな臭いムードです」
※週刊ポスト2017年9月8日号