ビジネス

年金75歳なら支給前に生活保護受けざるを得ない世帯多数

受給開始が75歳になったら生活保護世帯急増か

 総務省の家計調査では高齢者世帯(2人以上)の1か月の平均支出は約27万6000円。政府・自治体や日銀が支援する金融広報中央委員会が毎年実施している「家計の金融行動に関する世論調査(平成28年)」でも、60歳以上の世帯が最低必要と考える生活費は平均約30万円で、「老後の生活資金」として年金支給時に準備しておきたい最低の金融資産は平均2016万円と回答(20代~70歳以上の全世代)している。

 退職後は自給自足を目指し、憧れの移住生活をする人も近年クローズアップされている。理想的な田園生活とまではいかなくても、月に30万円あればギリギリではない老後の生活ができるし、多くの人が年金受給時までに2000万円ほどの貯金(金融資産)を貯めておきたいと考えているのがわかる。

 定年を迎えて再雇用で働こうという世代やこれから年金受給が始まる世代は、そうした老後の資金計画を考えて30代や40代の住宅ローンを組んだ時に返済期間や毎月の支払い額を設定し、現役時代も出費を減らして長年にわたって第2の人生の準備をしてきた人がほとんどだろう。

 その努力が、政府が検討し始めた年金支給年齢の「65歳→75歳引き上げ」が実行されれば、全て水泡に帰す。それは20年、30年間の人生を奪われるに等しい。

 都内に住む50代会社員は、「いきなり『前提』を変えられたらローンをいつまでに返すとか、どのくらい繰り上げ返済するとか、そういったプランが何の意味もなくなるってことじゃないか」と憤る。『家計の見直し相談センター』代表でファイナンシャルプランナーの藤川太氏が説明する。

関連記事

トピックス

谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン