「話としては単純です。グーグル翻訳というネット上の無料の機械翻訳をそのまま使っているからです。『言語設定』の欄を選択すると同社のロゴが表示されるのが証拠。機械が翻訳しているから、『一二三』といった固有名詞を数字として認識してしまい、“誤訳”が生まれる。まぁ、公式HPでグーグル翻訳をそのまま使うなんてあり得ないと思いますけど……」

 英語版のみならず、昨年9月のリニューアル当初は、日本語版でも森内俊之九段(46)が「森内俊幸」になっていたり、指導棋士の「生年月日」の欄に「出身地」が並んでいたりと、ケアレスミスに思える誤りも散見された(現在は修正済み)。

「ファンの声を受けて連盟が運営会社に伝えても、さらに下請け会社に制作を発注していて、なかなか改善されなかったようです。折悪く“三浦九段のスマホ不正疑惑(※注)”が噴出し、HPどころではなくなってしまった」(別の連盟関係者)

【※注/昨年10月に発覚した三浦弘行九段の対局中のスマホ不正使用疑惑。「不正の証拠はなかった」と結論づけられ、三浦九段の処分に動いた執行部が辞任に追い込まれた】

 HPを運営するのは、将棋連盟とウェブメディア事業契約を結ぶシンクロ社。東京・五反田の雑居ビルの一室にある同社の事務所を訪ねた。室内はビジネス机が4つ並び、4人がパソコンで作業中。執行役員に“超訳”の真相を直撃すると、

「それはグーグルの仕様じゃないですかね? うちはそれに沿っているだけですから」

 とそっけない返事。棋士の名前の表記も、

「OKとはいいませんが、システムって常に100点じゃないので、随時ブラッシュアップしていくものです。現状はグーグル翻訳の機能の限界ということになりますね。日本語で見る人が99%ですし、ビジネスなので優先順位があります。うちとしては連盟に聞いてくださいとしかいえない」

 とのことだった。連盟は「お答えするつもりはありません。ただ、ご指摘の点は十分に調査し、対応を検討します」と、修正には前向きな様子も見せた。将棋連盟が“読み”を誤ったままで大丈夫?

※週刊ポスト2017年9月8日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

解散を発表したTOKIO(HPより)
《TOKIO解散には迷いなし?》松岡昌宏、「男気会見」で隠せなかった本音 唯一違った“足の動き”を見せた質問とは?
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
ディップがプロバスケットボールチーム・さいたまブロンコスのオーナーに就任
気鋭の企業がプロスポーツ「下部」リーグに続々参入のワケ ディップがB3さいたまブロンコスの新オーナーなった理由を冨田英揮社長は「このチームを育てていきたい」と語る
NEWSポストセブン
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン
都内の日本料理店から出てきた2人
《交際6年で初2ショット》サッカー日本代表・南野拓実、柳ゆり菜と“もはや夫婦”なカップルコーデ「結婚ブーム」で機運高まる
NEWSポストセブン