今年も東京の夏の風物詩「神宮外苑花火大会」が行なわれ、写真右手奥に隣接する神宮第二球場から1万2000発の花火が打ち上げられた。その直下、鮮やかに照らし出された新国立競技場では屋根の基礎工事やスタンドの建設が進み、スタジアムとしての姿を見せ始めた。
写真下に見える二等辺三角形の構造物は、組み上げる前に作業手順などを確認する「屋根鉄骨実大施工検証」で作られた屋根部分だ。建築アナリスト・森山高至氏が工事の進捗について解説する。
「競技場内東側(右側)でスタンド部分の工事が進んでいます。基礎工事で平らになった敷地の上に構造物が組み上げられ、東側外周の敷地と同じ高さまで上がってきました。一方、工事の進捗に合わせて、西側に3本あった工事車両のための導入路のうち、一番北側の1本がなくなっています。そして、東側スタンドから中央部に向かって観客席の段床を支える階段状の斜めの梁(レイカー梁)が見え、いよいよスタジアムらしくなってきました」
■撮影/小倉雄一郎
※週刊ポスト2017年9月8日号