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大学病院でのがん免疫療法に医師の間でも議論噴出

医師からもがん免疫療法を問題視する声が

「末期がんが消えた!」「先進的」──命の危機に瀕した進行がん患者にとって、そうした謳い文句で宣伝される「がん免疫療法」は“最後の希望”に映る。だが、高額な治療費を払う患者たちに、「有効性が立証されていない」ことが、正確に伝わっているのか。ジャーナリスト・岩澤倫彦氏がレポートする。

 * * *
「再発したら死ぬよ、と主治医に告げられた時に、偶然テレビ番組で免疫療法を知りました。これしかないって思いましたよ。だって自分の強化した免疫細胞が、がんと闘う、消滅させてくれるなんて凄いでしょ。その番組に金沢大の医師が出演していたので、すっかり信用しました」

 4年前、ステージ4の卵巣がんが見つかった医療関係者の50代女性。手術と抗がん剤治療で寛解した後、再発予防のために免疫療法を受けた。費用は200万円。クリニックではVIP待遇で、医師は優しく女性の話にいつも耳を傾けてくれた。

「人よりいい治療を受けて、再発しないで済むと思いました。患者仲間にも勧めて、これで絶対みんなも助かるよと。4人が同じ免疫療法を受けました」

 今年2月、女性は卵巣がんを再発した。これを契機に、免疫療法の有効性に疑問を抱くようになった。

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