TAECO社やSASCO社に足を運んで取材した経験を持つ、航空評論家の青木謙知氏はこうみる。
「アジアのMRO企業の整備技術、能力は日本に比べても遜色ないものと思います。TAECO社については、設立当初からボーイングやJALも出資して人も派遣し、技術レベルを高め、米連邦航空局の認定も受けている」
海外に整備を任せられる、というのである。
◆国交省は「把握していない」
さらに本誌は、中国のTAECO社の広報担当者に直接、話を聞いた。
──これまでの整備実績は?
「ANAからは200機以上、JALは100機の請負実績がありますが、ほとんどは機体構造をチェックして給油や装備品の交換をするC整備です」
──JAL機のエンジン火災についてはご存知ですか。
「ちょっとわかりません。ただエンジンについては基本検査だけで、内部の整備はやっていません。テストフライトをしてエンジンに不具合があれば、メーカーに報告して取り替えてもらいます」