──過去にはTAECO社の整備でトラブルが多発した。
「実績を積んだから、今はアジアナンバーワン。大丈夫よ!」
そう自信を見せた。ただ、JALの現役整備士からは、
「確かに10年前と比べ精度は上がったが、今でも部品の装着忘れなど小さなミスを見つけることはある。工具がひとつなくなったら日本では見つかるまで総動員で探すが、中国側にはそういう意識が薄い」
という声もあった。気がかりなのは、工場の整備資格を認定している国交省が基本的に「整備は各社が責任を持って行なうもの」というスタンスでいることだ。
「個別の機材の整備履歴を当局が把握する仕組みにはなっていません。したがって、海外の整備に伴うトラブル事例がどれだけあるかといわれても、そのような記録は持ち合わせていないのです」(航空事業安全室)
そうしたなかで、日本の航空会社の機体は、今日も空を飛んでいる。
※週刊ポスト2017年9月29日号