もともと『ドデスカ!』の曜日チーフディレクターだった石川氏が、『デルサタ』立ち上げのため、『ドデスカ!』から去ったのは15年暮れのこと。
その後、「塚ちゃんに出ていただきたいのですが」と、当時、東京のバラエティー番組で異彩を放ちつつあったA.B.C-Zの塚田僚一をレギュラーにしたいと言い出した石川氏。
氏の周りの誰もが「難しいのでは?」と感じていたし、実際、定期的に主演舞台をもつA.B.C-Zに、別日の名古屋ロケ+金曜夜に“前乗り”して土曜早朝のスタジオ生番組のレギュラー出演というのは、事務所としてもOKを出しにくいスケジュールだった。
が、結果的に、塚田とメンバー最年少の橋本良亮、さらに両名が主演舞台などでスケジュールがとれないときには、トークに定評がある河合郁人がロケもスタジオも務める…という、名古屋のローカル局としては超異例のジャニーズがレギュラーの番組が誕生したのである。
現在、東海地方の民放視聴率でトップに迫る視聴率を稼ぎだす(F2=35~49才の女性は民放トップを獲る回もある)ほどの人気番組として成長した『デルサタ』は、東海地方在住のA.B.C-Zファンに知名度100%であることはもちろん、他の地方住まいのファンにもよく知られている。
そんなワケで、名古屋公演のコンサート会場にサプライズで濱口が登場したときのファンの歓声は、A.B.C-Zのメンバーが「僕たちよりも大きかった」と嫉妬するほどだったと聞く。
件の石川智通氏は、「○○したいんですよね~」「□□がやれたらいいんですよね~」とソフトな言い方で希望を口にするのが癖なのだが、目の前の高いハードルをいつも軽やかに跳び越え、すべて実現してしまうのである。
愛情をもって番組出演者と関わり、所属事務所とキチンと向き合い、順序立てて企画意図を丁寧に説明すれば、話はちゃんと通るということを『デルサタ』スピンオフ特番と石川氏が証明してくれた。
「特番にできればと思ってるんですよね~」は9月23日深夜に実現。全国のA.B.C-Zファンの強い要望を受け、いまは「全国ネットでオンエアできればいいですよね~」と言っている。メ~テレ『デルサタ』の総合演出、石川智通氏は、その高い高いハードルも跳び越えてしまうのかもしれない。