国内

「体罰」に関するアンケート調査 38.8%が肯定派

子供への体罰は是か非か?

 トランペット奏者の日野皓正さんによる往復ビンタ騒動から2か月経た今も、小中学校を中心とする教育現場では、その賛否が真っ二つに分かれている。教育やしつけの名のもとの暴力は愛なのか罪なのか──。本誌・女性セブンの読者からなる「セブンズクラブ」の会員410名(全国10~80代の男女)を対象に体罰について賛成か反対かアンケート調査を実施した(アンケート実施期間2017年9月8~9月13日)ところ、「賛成」は38.8%、「反対」は61.2%という結果になった。

 昭和22(1947)年に施行された学校教育法の第11条によれば、校長及び教員が、児童、生徒及び学生に体罰を加えることはできない。しかし実際は、教師による体罰が公然と行われてきた。

 これに対し、22年間教員を勤め、子供たちの非行防止や更生に努める“夜回り先生”こと水谷修さんはこう語る。

「一般社会で考えれば、手をあげた教師は暴行罪で捕まります。しかし、学校では暴力が“体罰”という言葉にすり替えられ、許されてしまう。生徒が、教師と対等な人格を持つ人間として扱われていない証拠です」

 一方、親による体罰では、教師による体罰とは違い、孤立した子育てなどさまざまなストレスが引き金となるケースがあると語るのは、子供を虐待した親をサポートするMY TREEペアレンツ・プログラムの代表・中川和子さんだ。

「体罰を繰り返す親は、さまざまなストレスに耐えられず、子供に感情を爆発させてしまいます。そのため、体罰後に罪悪感を覚える人も多い。体罰に代わるしつけの方法や親自身のストレスをサポートする体制を広めることが重要です」(中川さん)

 では、教師や親は、どう子供をしつけ、教育したらいいのだろうか。

「教育とは時間をかけて理解してもらうもの。1発・ひと言・1日で変えられるわけがないんです。いちばんの教育とは、指導する親や教員が子供たちの理想的な大人になること。子供は、仕事を楽しみ、まじめに生きている大人の背を見て、自然に成長するものなんです」(水谷さん)

 子供は大人の鏡。大人が、子供に見られている意識を持てば、体罰など起こり得るはずがないのかもしれない。

※女性セブン2017年10月26日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ブラジルにある大学の法学部に通うアナ・パウラ・ヴェローゾ・フェルナンデス(Xより)
《ブラジルが震撼した女子大生シリアルキラー》サンドイッチ、コーヒー、ケーキ、煮込み料理、ミルクシェーク…5か月で4人を毒殺した狡猾な手口、殺人依頼の隠語は“卒業論文”
NEWSポストセブン
9月6日に成年式を迎え、成年皇族としての公務を本格的に開始した秋篠宮家の長男・悠仁さま(時事通信フォト)
スマッシュ「球速200キロ超え」も!? 悠仁さまと同じバドミントンサークルの学生が「球が速くなっていて驚いた」と証言
週刊ポスト
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン