これに悲鳴を上げるのが、関連会社を含めると19万人を超える現役社員たちだ。50代のベテラン社員は、不正会計の発覚以降、業績の悪化とともに仲間たちが次々といなくなったと嘆く。

「部下や若く有望な社員たちは、退職金が割り増しされる早期退職制度を利用して次々と会社を去っています。しかし、私のように50代になるとなかなか次の就職先が見つかりません。会社の先行きも不透明で、この先、自分や家族の人生がどうなるかわからない。地獄のような日々が続いています」

 待遇の悪化を嘆くのは40代の中堅社員だ。

「昔の海外出張はビジネスクラスの時もありましたが、今は全部エコノミーです。上からは出張回数を減らすよう指示されるし、事業所は節電で暖房を切っているので、冬は本当に寒い(苦笑)。以前は1回500円で利用できた提携のスポーツクラブも約3000円のビジター料金が必要になりました」

 それでも長く勤続してきた現役社員に共通するのは、「東芝愛」の強さである。それだけに彼らは、東芝を窮地に追いやった経営陣に強い憤りを感じている。

「子会社や有力部門を次々と売却して、今や東芝という企業は死に体同然です。東芝にプライドを持って働いてきたのに2015年の粉飾発覚以降、わずか2年余りでどん底に叩き落とされた。経営陣への怒りとともに、『なぜこんなことになったのか』という無力感でいっぱいです」(前出・50代ベテラン社員)

※女性セブン2017年11月16日号

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