国際情報

文在寅大統領の意識は今も人権弁護士のまま、バランス欠く

韓国政権中枢の「親北派」(左から文在寅・大統領、李洛淵・首相、徐薫・国家情報院院長、任鐘皙・大統領秘書室長)

 日米をはじめ、これまで及び腰だった中国ですら加わって国際社会が「対北朝鮮包囲網」で連携するなか、韓国だけが相変わらず「対話重視」を掲げている。国際社会を歩調を合わせない文在寅大統領の方針は効果があるのか、元駐韓大使の武藤正敏氏が解説する。

 * * *
 これまでの文在寅・韓国大統領による対北朝鮮政策には首を傾げざるを得ない。文大統領は今年8月の記者会見で、「レッドラインは北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を完成させ、核弾頭を搭載して兵器化すること」と明言した。

 そもそも朝鮮半島有事の際の作戦統制権は米韓連合司令部が握っており、韓国大統領の一存で「レッドライン(越えてはならない一線)」を設定できるものではない。

 9月3日の北朝鮮の「水爆実験」後、米韓合同軍事演習が強化されたのを見て、文大統領が述べた「レッドライン」は北への武力行使を決める最後の一線という意味ではなく、対話重視の融和路線から圧力重視の政策に転換するという意味なのだと私は理解した。

 ところが、その後も、文大統領の融和政策に変わりはなかった。

 文大統領は9月21日の国連演説で、「過度に緊張を激化させたり、偶発的な軍事衝突で平和が破壊されたりしないよう、北朝鮮の核問題をめぐる状況を安定的に管理していくべきだ」「私たちの全ての努力は戦争を防ぎ、平和を維持するためだ」と述べ、いかにも“人権弁護士”出身らしい融和姿勢を強調。アメリカに「北朝鮮を攻撃するな」と要求しているようにも聞こえた。

関連記事

トピックス

近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン