いつもはビシッとしているのに、肝心なときに寝ぐせがついているあの男(ひと)や、食事の後にご飯粒が顔についたまま気づかずにいるあの男(ひと)のことを「かわいい!」と思った経験はありませんか?
無口で感情を表に出さず、いつもスマートな男性ばかりが支持を集める時代はもうおしまい! その魅力に迫ってみよう。心理学者の富田隆さんはこう語る。
「昔に比べて、女性も自立した人が増えた。そのため、男性に未熟な部分があっても、女性は『サポートできる』『自分の出る幕がある』『私が必要なんだ』と意気に感じることができるようになった。それが『ちょいダメ男子』好き女性が増えた要因なのではないでしょうか」
芸能人だけではない。私たちの周りにも「ちょいダメ男子」は存在する。
「スーパーのパート先の20代男子は、普段はきりっとしてかっこいいのに、先日お店のゴミ捨て場にゴキブリが出たとき、大きな声で奇声をあげていました。普段は見せないその姿にキュンとしてしまいました」(54才・主婦)
「昨年入ってきたばかりの新入社員は、顔もよくて、身長も高く、仕事ができるので、皆からの人気者。先日とあるプロジェクトの打ち上げでカラオケに行ったのですが、トップバッターで歌った彼がとてもオンチで…。何でもできる彼にこんな欠点があったんだと新たな魅力を再発見したようで、嬉しくなっちゃいました」(45才・会社員)
この「ちょいダメ男子」ブームを当の本人たちはどう受け止めているのだろうか。
11月11日に公開される映画『一礼して、キス』で、好きな女性以外にはまったく関心を示さない、一途すぎる三神曜太役を演じる中尾暢樹(20才)も、実は「ちょいダメ男子」だという。
「ぼくも三神のように嫉妬するタイプですが、あそこまではっきりと表に感情を出すことはないので羨ましくもあります」
スーパー戦隊シリーズ出身で、今作を通して弓道に出合い、つい先日、弓道初段に合格した中尾。一見何事にも抜かりなしに見える彼にも…。
「おっちょこちょいで、よく服を裏返しで着てしまいます(笑い)。仕事柄、頻繁に着替えをするのですが、その時に衣装さんに言われて初めて気づくことが多いかな。でもそのおかげで仲よくなれる(笑い)。自分のダメなところを少し見せると、心を開いてもらいやすいのかもしれません」
新潟青陵大学大学院の碓井真史教授は本当にモテる「ちょいダメ男子」にはある条件があると語る。
「ただ弱々しいだけでは、単なるダメ男。いざとなったら自分を犠牲にしてでも助けてくれるような芯の強さは絶対に必要です。イメージとしては自宅に泥棒が入ってきた際、キャンキャン鳴きながらも噛みついて泥棒を追い払ってくれるようなかわいい戦士ですね」
あなたを癒してくれる「ちょいダメ男子」は誰ですか?
※女性セブン2017年11月16日号