ライフ

大阪がフグ消費量日本一の理由「昔はよく獲れて安かった」

鍋の出汁には北海道産の特上昆布のみを使用

 寒い季節のごちそうといえば、何と言ってもふぐ。大正9(1920)年創業。食い倒れの街・大阪で愛されている老舗フグ料理店「づぼらや」。戦後しばらくまでは、めし屋だったが、昭和20年代前半に大阪府条例でフグ食が解禁されたのを機に、「ふぐ汁」を提供。常連の要望でふぐ汁にうどんを入れた「ふぐうどん」も評判を呼び、以降、次々と料理を考案した。

 大阪はフグの消費量日本一。これほど浸透した理由を、相談役の西島湛弘さんはこう語る。

「昔はよく獲れたから安かったんです。私が入社した昭和44年当時、すき焼きが500円で、てっちりは確か160円。庶民の味でした。大阪では安くて旨くないと人気が出ないですからね。今では高級魚となった天然トラフグですが、うちでは香川県漁連などから直接仕入れて価格を抑えています。養殖物も技術が進み、美味しくなりました」

 天然物と養殖物を扱い、コースのほか、ふぐ天丼やふぐ寿司など単品料理も豊富。てっちりとひれ酒という一人客も少なくないと言い、この店では昔と変わらず、フグは庶民の楽しみだ。

【づぼらや】
住所:大阪市浪速区恵美須東2-5-5
営業時間:11時~23時
休日:元日

撮影■岩本朗 取材・文■上田千春

※週刊ポスト2017年12月1日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
1992年にデビューし、アイドルグループ「みるく」のメンバーとして活躍したそめやゆきこさん
《熱湯風呂に9回入湯》元アイドル・そめやゆきこ「初海外の現地でセクシー写真集を撮ると言われて…」両親に勘当され抱え続けた“トラウマ”の過去
NEWSポストセブン
笑顔に隠されたムキムキ女将の知られざる過去とは…
《老舗かまぼこ屋のムキムキ女将》「銭湯ではタオルで身体を隠しちゃう」一心不乱に突き進む“筋肉道”の苦悩と葛藤、1度だけ号泣した過酷減量
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
「身内にゆるいねアンタら、大変なことになるよ!」 斎藤元彦兵庫県知事と「merchu」折田楓社長の“関係”が県議会委員会で物議《県知事らによる“企業表彰”を受賞》
NEWSポストセブン
“ボディビルダー”というもう一つの顔を持つ
《かまぼこ屋の若女将がエプロン脱いだらムキムキ》体重24キロ増減、“筋肉美”を求めて1年でボディビル大会入賞「きっかけは夫の一声でした」
NEWSポストセブン
チームを引っ張るドミニカ人留学生のエミールとユニオール(筆者撮影、以下同)
春の栃木大会「幸福の科学学園」がベスト8入り 元中日監督・森繁和氏の計らいで来日したドミニカ出身部員は「もともとクリスチャンだが幸福の科学のことも学んでいる」と語る
NEWSポストセブン
横山剣(右)と岩崎宏美の「昭和歌謡イイネ!」対談
【横山剣「昭和歌謡イイネ!」対談】岩崎宏美が語る『スター誕生!』秘話 毎週500人が参加したオーディション、トレードマークの「おかっぱ」を生んだディレクターの“暴言”
週刊ポスト
”乱闘騒ぎ”に巻き込まれたアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」(取材者提供)
《現場に現れた“謎のパーカー集団”》『≠ME』イベントの“暴力沙汰”をファンが目撃「計画的で、手慣れた様子」「抽選箱を地面に叩きつけ…」トラブル一部始終
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン