例えば、最近読んだ本、おかしな出来事、感動、出会った素敵な人から時事ネタまで。すると不思議なものでアッと言う間に、喜びは何十倍にも膨らみ、哀しみは何十分の一の小ささに姿を変える。ありがたき親友。本当に、女友達とワイワイと過ごす時間は人生の至福の時だ。
しかし長居は禁物。若かりし頃、先輩に呼ばれて大勢で飲んでいると、だんだん別れが惜しくなって…始発まで過ごしてしまった経験が(最近やってないなぁ…)。だけど、大抵最後の方の会話は、ほとんど意味があるようで無いようなもの…なんとも言えない魔の時間帯なのだ。
ほんの数時間付き合って、後は若い人だけでと言い残し、サッと帰っていった何時ぞやの、あのかっこいい先輩を出来れば私も真似してみたい。そもそも重要な話なんて、せいぜい2時間以内で済んでいるのだ。
後は、相手に自分を理解してもらいたいがための、グダっとした時間なのではないだろうか。だからこそ50代になって思う、親友との付き合い方はこうだ。
程よく会う、程よく語る、程よく飲んで、程よく笑う、時に程よく悩み、そして程よきところで別れる…何事も程よく、程よく、程よく。
今、私はそんなことを追求している。
「私が何とかしてあげる!」
なんて若かりし頃のようなセリフを親友に言わせない、“程よい心遣い”をこれからは意識したい。
■撮影/渡辺達生
※女性セブン2017年11月30日・12月7日号