ビジネス

三菱自動車 新しい改良版RVRはれっきとしたSUVだった

悪路の走りで本領発揮の三菱自動車「RVR」

 三菱自動車のコンパクトSUV(スポーツ多目的車)「RVR」が今年10月に改良された。三菱自といえば「パジェロ」や「デリカ」に代表されるオフロードでも力強く走る名車を数多く生み出してきたが、近年は燃費不正問題もあり、スリーダイヤのブランド自体が低迷していた。

 だが、ここにきて日産自動車・仏ルノー連合の傘下入りや、SUVブームも追い風となり、三菱車が勢いを取り戻しつつある。改良したRVRに試乗したという自動車ジャーナリストの井元康一郎氏がレポートする。

 * * *
 三菱自動車の改良版RVRを600kmあまり走らせる機会があったのだが、いかにも三菱というべきテイストを持ち合わせていたことに驚きを覚えた。

 エクステリアのデザインは昨今流行しているクロスオーバーSUVのようにしか見えない。が、実際に走らせてみると、ファッション性重視のモデルとはまったく異なる、れっきとしたSUVだった。

 試乗ルートは東京都内の市街地走行、および北茨城方面へのロングドライブで合計666km。北茨城では樹木伐採のための機材のキャタピラーで掘り起こされ、きついアンジュレーション(路面のうねり)が連続する未舗装の林道や砂地も走った。

 RVRは市街路、高速道路、未舗装路と、どのシーンにおいてもSUVらしいゆったりとした動きを示した。とくに速度の上がる高速道路や郊外路での当たりの柔らかい乗り心地や安定性は、大型SUVと同じとまではいかないが、共通する味を感じさせるものだった。

 SUVらしさが最大限に発揮されたのは、未舗装の林道走行だった。最低地上高が195mmと、一般の乗用車より5~6cm高められているのに加え、バンパーの先端下部も少々の上下動で擦ったりしないよう高さが確保されているため、凹凸の大きな路面でもクルマを傷めずに走ることができた。

 RVRの4WDシステムは「パジェロ」のような本格的なものではなく、前輪を主体にしながら後輪にも2割ほど駆動力を伝えるという簡易型である。

 にもかかわらず、後輪の片方が浮くほどに荒れた箇所でも残りの車輪に駆動力が的確に配分され、コントロールは至ってやりやすかった。SUVを荒地でスムーズに走らせるためにはどうすればいいかということを熟知したセッティングである。

関連記事

トピックス

小島瑠璃子(時事通信フォト)
《亡き夫の“遺産”と向き合う》小島瑠璃子、サウナ事業を継ぎながら歩む「女性社長」「母」としての道…芸能界復帰にも“後ろ向きではない”との証言も
NEWSポストセブン
会見で出場辞退を発表した広陵高校・堀正和校長
《海外でも”いじめスキャンダル”と波紋》広陵高校「説明会で質問なし」に見え隠れする「進路問題」 ”監督の思し召し”が進学先まで左右する強豪校の実態「有力大学の推薦枠は完全な椅子取りゲーム」 
NEWSポストセブン
起訴に関する言及を拒否した大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ハワイ高級リゾート開発を巡って訴えられる 通訳の次は代理人…サポートするはずの人物による“裏切りの連鎖” 
女性セブン
日本体操協会・新体操部門の強化本部長、村田由香里氏(時事通信フォト)
新体操フェアリージャパンのパワハラ問題 日本体操協会「第三者機関による評価報告」が“非公表”の不可解 スポーツ庁も「一般論として外部への公表をするよう示してきた」と指摘
NEWSポストセブン
スキンヘッドで裸芸を得意とした井手らっきょさん
《僕、今は1人です》熊本移住7年の井手らっきょ(65)、長年連れ添った年上妻との離婚を告白「このまま何かあったら…」就寝時に不安になることも
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
《広陵高校、暴力問題で甲子園出場辞退》高校野球でのトラブル報告は「年間1000件以上」でも高野連は“あくまで受け身” 処分に消極的な体質が招いた最悪の結果 
女性セブン
代理人・バレロ氏(右)には大谷翔平も信頼を寄せている(時事通信フォト)
大谷翔平が巻き込まれた「豪華ハワイ別荘」訴訟トラブル ビッグビジネスに走る代理人・バレロ氏の“魂胆”と大谷が“絶大なる信頼”を置く理由
週刊ポスト
お仏壇のはせがわ2代目しあわせ少女の
《おててのシワとシワを合わせて、な~む~》当時5歳の少女本人が明かしたCM出演オーディションを受けた意外な理由、思春期には「“仏壇”というあだ名で冷やかされ…」
NEWSポストセブン
広陵野球部・中井哲之監督
【広陵野球部・被害生徒の父親が告発】「その言葉に耐えられず自主退学を決めました」中井監督から投げかけられた“最もショックな言葉” 高校側は「事実であるとは把握しておりません」と回答
週刊ポスト
薬物で何度も刑務所の中に入った田代まさし氏(68)
《志村けんさんのアドバイスも…》覚醒剤で逮捕5回の田代まさし氏、師匠・志村さんの努力によぎった絶望と「薬に近づいた瞬間」
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《ずっと若いママになりたかった》子ども好きだった中山美穂さん、元社長が明かした「反対押し切り意思貫いた結婚と愛息との別れ」
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
NEWSポストセブン