ビジネス

羽田空路見直しで不動産に異変 目覚まし時計レベルの騒音も

麻布や白金など高級住宅街の上空も航路に

 東京オリンピックが開かれる2020年ごろをめどに、羽田空港への飛行経路が変更されるという。新しい経路では新宿から渋谷、麻布、恵比寿、大井町の上空を羽田に着陸する航空機が通過することになる。その便数は1時間に30便。好天時の15時から19時だから、完全に日中の生活時間だ。

 この進入路の変更により、直下エリアの不動産価値にどのような影響が及ぶのだろうか? 住宅ジャーナリストの榊淳司氏が解説する。

 * * *
 羽田空港の進入路見直しが提起されたのは数年前だ。私も何度かこの件に関して質問されたことがある。

「マンションの資産価値が下がりませんか?」

 私はいつも次のように答えていた。

「室内にいてうるさく感じるようなら影響しますが、そうでない場合はあまり関係がありません。特に今のマンションは二重サッシなど防音機能が優れているので、ほとんど関係ないのではないかと思います。また、実際にそうなってみないとどれくらいうるさいのか分かりませんから」

 最近、この件に関する質問が多くなってきたので、自分でも詳しく調べてみた。その結果、少しだけ見解を変更することにした。

 結論から言えば、資産価値にマイナスの影響を受けるマンションは一定数ありそうだ。また、戸建て住宅についてはそれなりの悪影響が出るだろう。

 私は航空機の進入路の直下に暮らしたことがある。その経験から、影響の有無を決める境目は60デシベルだと考えている。60デシベルというのは「一般的な会話」レベルだとされる。言い換えれば、近くで誰かが話しているレベルの騒音。会話をしていれば相手の話声などほぼ気にならないが、聞きたくもない声だとかなりうるさいはずだ。

「幹線道路の沿線の整備に関する法律(1970年)」による「沿道整備要件路指定要件」によると、その基準は「夜間騒音65デシベル超または昼間騒音70デシベル超」となっている。これは私から見ると、わりあい緩めの基準だと思う。

「羽田空港のこれから」というオフィシャルページでは、今回の進入路変更における環境への影響などについて図版を交えて様々に解説している。気になるのは、進入路を示した図版を拡大して見ることができないところだ。これは意図的と取られても仕方がない。

 ただ、騒音のレベルについては一応の記載はある。

関連記事

トピックス

(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン