国際情報

引退の王岐山が常務委員会に出席 来春には副主席就任か

オブザーバーとして復活

 中国の反腐敗運動の中心的な指導者だった王岐山・元中国共産党中央規律検査委員会書記が平党員の身分で、党最高決定機関である党中央政治局常務委員会に出席していたことが明らかになった。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が「独自ネタ」として報じた。

 王氏は来年3月の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で、国家副主席に就任するとみられている。党最高幹部である同常務委員から引退後、名誉職とはいえ、国家副主席を務めるのは極めて異例。

 王氏は習近平国家主席とは兄弟以上の親密な関係だが、1980年代から90年代にかけてのトウ小平時代に大きな権勢をふるった「長老支配」をほうふつとさせるだけに、「習氏による権力の私物化」との批判が出ている。

 王氏は今年10月の第19回党大会で、「68歳以上は引退」という党の内規に従って、同常務委員を辞任し、平党員になった。党大会以前には、習氏が年齢制限に関わらず、王氏の常務委員留任を強く主張したが、厳しい汚職摘発を推進した王氏に対する党内の反発には、さすがの習氏も抗しきれなかったという事情がある。

 しかし、習氏は王氏の常務委員辞任の条件として、王氏が常務委員会に表決権なしのオブザーバーの資格で出席できることを求め、党内で了承されたという。これにより、王氏は11月下旬に開かれた常務委員会に出席した。

 中国共産党員は現時点で約9000万人にも達しており、平党員に戻った王氏が常務委員会に出席できることとなれば、9000万人の党員が常務委参加も可能になり、極めて異例だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日のなかベビーカーを押す海外生活》眞子さん、苦渋の決断の背景に“寂しい思いをしている”小室圭さん母・佳代さんの親心
NEWSポストセブン
自殺教唆の疑いで逮捕された濱田淑恵被告(62)
《信者の前で性交を見せつけ…》“自称・創造主”占い師の濱田淑恵被告(63)が男性信者2人に入水自殺を教唆、共謀した信者の裁判で明かされた「異様すぎる事件の経緯」
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
原付で日本一周に挑戦した勝村悠里さん
《横浜国立大学卒の24歳女子が原付で日本一周に挑戦》「今夜泊めてもらえませんか?」PR交渉で移動…新卒入社→わずか1年で退職して“SNS配信旅”を決意
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン