これは歴史的に例がある。1980年代には常務委員や党政治局員の経験者が構成員となった党中央顧問委員会が創設され、重要な問題を討議する際には、顧問委メンバーが常務委員会に出席し、オブザーバーとして、意見を開陳することができたのだ。
当時の顧問委メンバーは常務委員よりも経験豊富で年齢も上だったことから、常務委メンバーは顧問委の意見を無視できず、事実上、常務委を乗っ取られた形となった。この弊害から、顧問委を創設したトウ小平自身が同委を解散したという経緯がある。
今回も王氏が常務委に出席するとなれば、トウ小平時代同様、他の若い常務委員は王氏に気兼ねすることは必定。顧問委と同じ弊害が生じることになる。上海政法学院の陳道銀・副教授は同紙の取材に応じて、「国家副主席に選出される見通しの王岐山氏は最高指導部メンバーでないにもかかわらず、党長老や習氏の顧問という立場で、政治的に大きな影響力を発揮していくことになろう」と指摘している。