ライフ

【平山周吉氏書評】天皇制議論も許された陸軍中野学校

山本武利・著『陸軍中野学校 「秘密工作員」養成機関の実像』

【書評】『陸軍中野学校 「秘密工作員」養成機関の実像』/山本武利・著/筑摩書房/1700円+税

【評者】平山周吉(雑文家)

 謎に包まれた諜報機関「陸軍中野学校」の紛れもない、本格的な歴史書の出現である。「中野」といえば、ルバング島から生還した小野田寛郎元少尉の帝国軍人そのものといった直立不動の姿勢と、市川雷蔵映画のハードボイルドで端正な風貌を思い出す。そんな虚実とりまぜたイメージの予断を排し、たった七年間の歴史を闇の中から発掘している。

 中野学校は同時代には存在そのものが秘匿されていた。隣の敷地にあった憲兵学校出身者もその存在に気づかなかった。講義内容をノートにとることも歓迎されず、教科書は返却する必要があった。徹底した秘密主義である。学生たちは髪を伸ばし、背広とネクタイを支給された。全陸軍から選抜され、「透明人間」として生きねばならない。勲章もなく、靖国に祀られることも望めないエリート集団であった。

 中野の教育方針は戦局などで変更を余儀なくされるが、根本にあるのは、単独行動に耐えうる知性と判断力の育成だったといっていい。命令一下、死ぬことを義務づけられた軍人たちとは正反対である。自由な議論が歓迎され、降伏か玉砕かを論じ、天皇制の是非までフリートーキングだった。その一方で、「国体学」が重視されていた。特殊な教育空間から二千数百人が巣立っていった。

トピックス

真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
優勝11回を果たした曙太郎さん(時事通信フォト)
故・曙太郎さん 史上初の外国出身横綱が角界を去った真相 「結婚で生じた後援会との亀裂」と「“高砂”襲名案への猛反対」
週刊ポスト
伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン