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カスハラ論争 杓子定規な企業のマニュアル対応にも問題あり

病院も「カスハラ」が起きやすい場所の1つ

 セクハラ、パワハラなど、さまざまな「ハラスメント(嫌がらせ)」が社会問題となって久しいが、最近になってとりわけ取り沙汰されるようになってきたのが「カスタマー(消費者)ハラスメント=カスハラ」だ。一般的な定義としては、消費者による自己中心的で理不尽な要求のことをいう。

「クレーム」や「権威的態度」などが代表的なカスハラとされるが、これらは消費者が“正当な主張”と考えているケースもあり、その原因が店員の落ち度だった可能性もある。そのギャップは、客と店員の年齢が離れるほど深くなるようだ。

 シニア世代の男性を取材すると「何を言ってもクレーマー扱いされる」「自分の要求が理不尽とは思えない」という“カスハラ拡大解釈”への不満が聞こえてくる。たとえば、「おしぼりをポイッとテーブルに投げるように置いたバイト店員に“失礼だ!”と怒鳴ったら“他のお客様もいるのでお静かに”と迷惑客扱いされた」(64歳会社役員)などがある。

 もちろん店員・スタッフにも言い分はある。20代の携帯ショップ店員がいう。

「スタッフ不足のなか、1人のお客様にかかりきりになってしまうと、他のお客様への応対がこなせないなど業務が滞ってしまう。正直なところ、中高年のお客様のご要望や質問には“そんなことで時間を取らせないで”と思うようなことが多いんです」

 カスハラの原因は客にあるのか、店員にあるのか──それを見定めるのは難しい。大手カメラメーカーで20数年にわたりクレーム処理を担当し、『社長をだせ! 実録・クレームとの死闘』の著書がある川田茂雄氏は、企業側の責任を指摘する。

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