根が真面目だからなのか、演じるという行為について真っ正面から説く。黒木華ならば説得力も生まれるが、今の吉岡をもってすれば下手の横好き。もしくは意識の高い系。
「18歳の時に小劇場で観た舞台に衝撃を受け、学生時代は京都の小劇場の舞台に立った吉岡さんは、アイドル出身の女優とは雰囲気がひと味違う。 下北沢や高円寺で見かける、役者バカ系の女優なのだ。役者バカというのは、もちろんホメ言葉。(原文ママ)」
これ、東京カレンダーで彼女を評した文章。
吉岡里帆は、グラビアで得た圧倒的な男性支持によって人気が出た女優。男性陣が評価したのは「ムラムラする」という彼女の四肢に宿る機能美。
彼女ほどアイドル的な女優はいないと思うのだが……、これを書いたライターに真意を聞いてみたい。
AKB時代の前田敦子、大島優子がしきりに「女優になりたい、女優になりたい」と語っていた。吉岡里帆はそのメンタリティに近い。「女優に憧れる、夢見る少女」なのだ。
女優と云うが、芯となる演技力はおざなりで。僕は、これを若手女優のドーナッツ化現象と呼んでいる。
吉岡はカルチャーサイト「she is」でグラビア時代について下記のように語った。
「週刊誌を見るときに本当に考えてほしいのは、写真に写っている子たちは、一世一代の賭けをしているということ。消耗品になることを前提に脱いでいることも含め、いろんなことを思いながら、そこで笑顔でいるんだよっていうのをわかってほしいなと思います(原文ママ)」
水着グラビアとは、男性諸君のペーパーレッドブル。雑誌を開き「あぁ、ヤリてぇなぁ~」と願い、ページ閉じて「明日もがんばろう!」と誓わせることが効能。
彼女の意見を汲んで、グラビアを見ることはしんどい。
グラビア経由女優行きの代表格、小池栄子が過去にこんなことを言った。
「グラビアはただの通過点ではない。プライドを持ってやっている」
小池栄子がかつて所属していた事務所イエローキャブの野田社長のグラビア哲学。
「いかにヌカせるか、いかに勃たせるか」
これが真理だろう、だからグラビアは偉大なのだ。
吉岡里帆は「理想の彼女」を喚起させる機能美の人である。男性ファンも彼女から掻き立てられるイメージを愛す。だから、勝手に想像させておけば良いのだ。
過度な発言<秘密に心ときめく、これが客の心情。
今の吉岡里帆は多くを語りすぎている。