さて、2017年の国内小説のベストワンに挙げたいのは、松浦理英子の『最愛の子ども』だ。私立女子校のスクールカーストを背景に、女子三人の疑似家族的なつながりと、未分化のセクシャリティを描き、レズビアンとも判断しがたい関係を、「わたしたち」という集合意識を用いてギリシャ劇のように語る。
こうした性の柔軟な描き方はこれからも続くだろう。新しい元号の時代には、現実社会でも「性差」や「性の役割」という概念は根本的に変わっていくだろう。
※週刊ポスト2018年1月1・5日号
さて、2017年の国内小説のベストワンに挙げたいのは、松浦理英子の『最愛の子ども』だ。私立女子校のスクールカーストを背景に、女子三人の疑似家族的なつながりと、未分化のセクシャリティを描き、レズビアンとも判断しがたい関係を、「わたしたち」という集合意識を用いてギリシャ劇のように語る。
こうした性の柔軟な描き方はこれからも続くだろう。新しい元号の時代には、現実社会でも「性差」や「性の役割」という概念は根本的に変わっていくだろう。
※週刊ポスト2018年1月1・5日号