国際情報

中国で「姉さん女房」が急増し4割占める事態 理想は3歳差

結婚観も様変わりしつつある(写真:アフロ)

 多様化が盛んに叫ばれる昨今、かつて夫婦といえば夫唱婦随が常識だったが、もはやそれも古いのかもしれない。拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏によると、中国は既に一歩先んじている様子だ。

 * * *
 姉さん女房は、金のわらじを履いて探せ……。かつては日本でもこんな言葉が普通に使われていた。こんな言葉がある裏側には、「妻は年下じゃなきゃ」という固定化された観念が社会にはびこっていたからである。

 しかし、いまやもうそんなことを言う時代ではない。人々の生活スタイルは十分に多様化してしまっているからだ。そうした現実は、いま中国でも顕著になりつつあるようだ。時代の変化を象徴するような結婚観の変化を特集で報じたのは、『銭江晩報』(2017年11月15日)である。

 記事では、中国社会科学院の研究者、李春玲氏の発表した「社会が変遷するという背景の下での中国青年問題研究」(=「問題研究」)を参照に現代の中国の若者が結婚相手に何を求めているかについて答えを導き出している。

 その結果の一つが、「姉さん女房の急増」という現象だった。現地のジャーナリストは、「これは2010年から急増し、いまでは全体の4割を占めるまでになったといいますから驚きです」と、こう解説する。

「『問題研究』では、いまから10年前には、男性が年上という結婚が当たり前で、その比率は68.09%でした。しかし、いまではそれが43.13%まで落ちてしまったのです。逆に姉さん女房の割合は、10年にわずか14.37%でしかなかったのが、いまや40.13%にまでなっているのです。これは大きな変化でしょう」

 しかし興味深いのは、中国にも「金のわらじ……」に似た言葉があり、姉さん女房を理想とする考え方がある。「女大三 抱金磚(3つ年上の女房ならば、金塊を抱いているのと同じ)」だ。

 記事では、この言い伝えに就いても検証している。

 復旦大学社会科学データ研究センターが1980年代以後に生まれた中国人を対象に行った調査によれば、7割の夫婦が年の差3歳以内であり、なかでも男性が女性より3歳から4歳若い夫婦では、互いの満足度が極めて高いという結果が導かれているという。逆に、最も満足度が低かったのは男性が女性より7歳以上年上であるケースだという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
『国宝』に出演する横浜流星(左)と吉沢亮
大ヒット映画『国宝』、劇中の濃密な描写は実在する? 隠し子、名跡継承、借金…もっと面白く楽しむための歌舞伎“元ネタ”事件簿
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン
山本アナ
「一石を投じたな…」参政党の“日本人ファースト”に対するTBS・山本恵里伽アナの発言はなぜ炎上したのか【フィフィ氏が指摘】
NEWSポストセブン
今年の夏ドラマは嵐のメンバーの主演作が揃っている
《嵐の夏がやってきた!》相葉雅紀、櫻井翔、松本潤の主演ドラマがスタート ラストスパートと言わんばかりに精力的に活動する嵐のメンバーたち、後輩との絡みも積極的に
女性セブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン