米国留学組の一人である高橋は、市場投資部門のスペシャリストとして、銀行・証券界でその名を知らぬ者がないほどの手練れのバンカーである。とりわけ金融界で勇名を馳せたのが、2007年5月に発生したサブプライムローン問題のときだ。三井住友銀行の関係者が言う。

「当時、銀行ではサブプライム関連の金融商品に5000億円規模の投資をしていました。その雲行きが怪しくなってきたので、高橋さんの判断でそれを売り払ってしまった。その翌2008年9月にリーマンショックに見舞われた。サブプライムの売れ残りが600億円ほどあって紙くず同然になり、そこは損をしたけど、(その先見の明の)おかげでずい分助かった。みずほなんかは1兆円規模の損失を出していたので、高橋さまさまでした」

 4人組のうち、安倍、加計、増岡はいずれも、父親や祖父の代から続く名門の家柄に育ってきたが、高橋だけはサラリーマンだ。やや異質な存在ともいえるが、他の2人に負けず劣らず、安倍に近いところにいる。

 2017年6月の株主総会をもって三井住友銀行副頭取から上席顧問に退いた。本人は周囲に、近く投資会社を設立するつもりだと話していたようだ。

「ところが顧問に退く直前の5月、金融庁の森信親長官から『金融庁の参与になってくれないか』と声がかかったのです。森さんはリーマンショックのときまだ審議官だったが、高橋さんの実力を高く評価し、迎え入れたといわれています」(同銀行関係者)

 6月、高橋は金融庁参与に就く。まさに加計問題で国会に激震が走るさなかに政府の参与に就任したのだから、安倍の意向が働いたのではないか、ともっぱらの評判だが、当人は「総理とはまったく関係ない」と意に介していないという。

関連記事

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン