現在は韓国籍だが、韓国では“日本を正す良心的な日本人”のように扱われている。保坂氏は例えば、韓国の日刊紙「世界日報」(2017年10月24日付)の「独島番人教授が伝える“独島が韓国領土”である3つの理由」と題した記事では、竹島について〈韓国の領土である〉、〈独島の主人は“韓国”だという結果になる〉などと繰り返し述べている。
本人にこの発言について尋ねたところ、「私の考えですが、私だけの考えではない。韓国では一般的な考え方です。日本人学者でも、独島に関する日本政府の主張は一方的で、歪曲されているという見解を持つ人は意外と多い。池内敏、坂本悠一、竹内猛などがいます」との回答があった。
ただし、保坂氏が挙げた池内敏・名古屋大教授は、その著書『竹島─もうひとつの日韓関係史』で、日本だけでなく韓国政府の主張も正当性に欠けると指摘している。また坂本悠一氏は、2013年5月に竹島に上陸する際、「独島を韓国領と見なすことはできない」との見解を示し韓国側に止められたことがある人物だ。
さらに保坂氏は、慰安婦や徴用工の問題についても次のように発言している。
〈日本安倍政権は慰安婦強制連行の事実を否認している〉(「中央日報」2017年3月16日付)
〈韓国側から見れば(徴用工の)個人請求権が充分に残っている〉(韓国YTNラジオのインタビュー。2017年8月25日)
このような保坂氏の発言は、韓国側の主張そのもの。韓国のメディアが、日本を批判する“元日本人の発言”を都合良く使っている様子が窺える。