芸能

真矢ミキ 「ハゲ揶揄」「若くなくては意味ない」風潮に疑問

「経験はかっこいい色気」と語る真矢ミキ

 女優として活躍するかたわら、TBS系情報番組『ビビット』のMCも担当している真矢ミキ。現在53才の彼女が、「年齢」についての考えを明かす。

 * * *
「ごめんね、おばさんで」。40代の友人と食事をしていたときのこと。若いウェイターさんと談笑していた友人はふと我に返ったのか、照れ隠しなのか、こう言った。

 なぜ謝る? 彼女は他のことには誰より自信を持っている才女。初めて聞いた弱音だった。だから私、「ごめんね、魅力的で」みたいなジョークなのか本気なのかわからない表現に変えてみたらと提案してみたが、何とも心にひっかかった夜だった。

 おばさんへの否定ではない。勿論、私の年齢はおばさんだ。ただ表現が楽しくない。みんなでこんな会話しだしたら、今に「ごめんね、おばさんで」「ごめんな、じじいで」「ばばあですみません!」みたいな言葉が飛び交う毎日になる。謝る度に、謝られる度に、美しい景色さえも濁りそうだ。誰もhappyじゃない。

 従って、昨年異常に耳にした“ハゲ~”もしかり。現に子供たちは大人が使ってるから良いのだとこぞって“ハゲ~”と笑って発していた。と言うことは、おじさんで禿げている人は、「ごめんなおじさんで…」と謝ったうえに「ハゲ~」と言われて生活をするのか? …モラルのない社会だ。それでなくても日本の社会は女性の年齢に敏感であり、若くなくては意味がない…みたいな傾向も強いのに。若くない時間の方が人生の大半を占めている中、何でみんなしてネガティヴな思考で生きなくちゃいけないの? これまた楽しくない。

 若さに走る日本の年齢に対する考え方は、年々海外と差がついてきていると聞いた事がある。たとえばフランスでは、歳を重ねれば重ねるほど女性が魅力的に映るそうで(そろそろフランス行くか~)、フランス男性は自己確立した女性と対等に歩んでいきたいと思うのだそう。

 友よ、歳で「ごめんなさい…」なんて言ってる場合じゃない。年齢といえば、黒柳徹子さんが伝説のオペラ歌手、マリア・カラスを演じた舞台『マスター・クラス』が今でも印象深い。

 徹子さん演じるカラスは当時50代。若い学生に講堂や劇場の舞台上で歌を教え、舞台下の客席にいる生徒には、その個人レッスンを公開授業として見せている。

 カラスがマンツーマンで熱心に教え注意していると、その若い学生が、「何を言っているのかまったくわかりません!」とその場を飛び出してしまう。

 ここで普通だと、黙って傷つくか、感情的に言い返しそうだが、カラス(徹子さん)は、一瞬、深呼吸するように間をおいて、冷静に客席にいる他の生徒に向かって「私、傷つきました。大変傷つきました」と静かに語るのだった。その一言だけ言って何事もなかったかのように又、静かに「次の方どうぞ」と学生との授業を再開する。

 この舞台を観劇した当時30歳になりたての私は、大人の女性のぐっと顎で感情を受け止めた、静かな凄みを見た気がした。

関連記事

トピックス

雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
国仲涼子が『ちゅらさん』出演当時の思い出を振り返る
国仲涼子が語る“田中好子さんの思い出”と“相撲への愛” 『ちゅらさん』母娘の絆から始まった相撲部屋通い「体があたる時の音がたまらない」
週刊ポスト
「運転免許証偽造」を謳う中国系業者たちの実態とは
《料金は1枚1万円で即発送可能》中国人観光客向け「運転免許証偽造」を謳う中国系業者に接触、本物との違いが判別できない精巧な仕上がり レンタカー業者も「見破るのは困難」
週刊ポスト
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン