ライフ

102歳の現役画家は手塚治虫の先輩 引退を考えたことはない

アトリエでは必ずベレー帽をかぶる

「人生100年時代」とは、単にその年齢まで命を永らえさせることではない。大事なのは、100歳まで、そして100歳を超えたその後をどう生きるかだ。

 奈良県生駒市、娘が営む喫茶店の2階のアトリエ。ベレー帽を被った藤田剛士さん(102)は、自らが生み出した様々な作品に囲まれペンを動かす。

「歳は関係ないですね、僕の場合は。知らん間に100歳超えとったもんね」

 藤田さんは、漫画家、写真家を経て画家になった。傍にあるのは、縦1.45メートル、横1.12メートルの大きなキャンバス。カモメが飛ぶ鮮やかな青色の空を背景に悲しげな顔をした女性が白い布を体に巻いた姿を描いた油絵だ。インタビューの1か月前に完成したばかりの作品だという。

「題名は『去りゆく想い出』。若い時に撮った写真をネタにしてな。娘に尻叩かれながら書き上げた(笑い)。こんな歳とってる人がこんだけ好きなものを描くんだから、若い人たちも好きなことをやりなはれ、と思う」

 終戦直後には関西児童漫画協会を結成し、故・手塚治虫さんとの交友もあったという。「漫画の神様」は藤田さんの後輩だったのだ。

「協会を作った途端、みんな忙しくなって、手塚はスケッチ旅行に1回参加しただけだった。単行本を出版したこともあるけど、僕は漫画で独り立ちできんかったから、紙芝居の原画を描いたり、新聞のイラスト画や4コマ漫画、喫茶店のメニューなど、なんでも描いた。

 40歳くらいで漫画を辞め、それから写真を20年くらい。写真では金銭的に相当苦労したよ。機材に金かかるし。嫁はんに頼んでカメラを買ってもらってね。でも苦労もあってかぎょうさん賞を貰いましてね。その縁で1982年には入江泰吉(仏像写真家。故人)らと一緒に奈良の東大寺大仏殿の撮影をしましたよ」

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居の近影をキャッチ(2025年12月下旬)
《ゴルフ用ウェアで変装して百貨店に…》中居正広、外出頻度が増えている 表舞台では“盟友たち”が続々言及する理由
NEWSポストセブン
16年ぶりに写真集を出す皆藤愛子さん
16年ぶり写真集発売の皆藤愛子 「少し恥ずかしくなるくらいの素の姿や表情も、思い切って収めていただいています」
週刊ポスト
サッカー日本代表・森保一監督
サッカー日本代表・森保一監督 優勝を目標に掲げるW杯への意気込み「“日本人ならできる”という姿勢を示し、勇気や自信を届けたい」 
女性セブン
トランプ大統領と、金正恩氏(AFP=時事)
トランプ大統領は金正恩氏を「マドゥロ方式」で拘束できるのか──荒唐無稽と笑えなくなった国際政治の危険な“初夢”
NEWSポストセブン
中国人インフルエンサーがカンボジアの路上で変わり果てた姿で発見された(TikTokより)
《へそ出しタトゥー美女の変わり果てた姿》中国インフルエンサー(20)がカンボジアの路上で発見、現地メディアに父親が答えた“娘と最後に連絡した日”【髪はボサボサ、うつろな表情】
NEWSポストセブン
プロ棋士の先崎学九段(左)と日本推理作家協会の将棋同好会代表を務める小説家の葉真中顕氏
【2026年の将棋界を展望】崩れ始めた「藤井聡太一強」時代、群雄割拠を抜け出すのは誰か? 伊藤匠二冠だけじゃないライバルたち、羽生世代の逆襲はあるか【先崎学氏×葉真中顕氏対談】
週刊ポスト
米国によってニコラス・マドゥロ大統領が拘束された(時事通信フォト)
《大統領拘束を歓迎するベネズエラ国民の本音》「男女ともに裸にし、数日間眠らせず、窒息を繰り返させる…」国連に報告されていた“あまりに酷い拷問のリアル”
NEWSポストセブン
運転席に座る中居(2025年12月下旬)
《三歩下がって寄り添う高級ジーンズ美女》中居正広を今もダンサー恋人が支える事情「この人となら不幸になってもいい…」過去に明かしていた結婚観との一致
NEWSポストセブン
一般参賀にお姿を見せた上皇さまと美智子さま(時事通信フォト)
《新年を寿ぐホワイトドレス》「一般参賀に参加いただく必要があるのか?」美智子さま“お手振りなし異変”報道で波紋…上皇ご夫妻が行事に込める「内に秘められた心の部分」
NEWSポストセブン
新宿の焼肉店で撮影された動画が物議(左は店舗のInstagramより、右は動画撮影者より提供)
《テーブルの上にふっくらとしたネズミが…》新宿・焼肉店での動画が拡散で物議、運営会社は「直後に殺処分と謝罪」「ねずみは薬剤の影響で弱って落下してきたものと推察」
NEWSポストセブン
新年一般参賀に出席された秋篠宮家次女・佳子さま(2026年1月2日、撮影/黒石あみ)
《新年一般参賀で見せた“ハート”》佳子さま、“お気に入り”のエメラルドグリーンドレスをお召しに 刺繍とハートシェイプドネックがエレガントさをプラス
NEWSポストセブン
茨城県水戸市のアパートでネイリストの小松本遥さん(31)が殺害された
《水戸市・31歳ネイリスト女性死亡》「『誰かのために働きたい』と…」「足が早くて活発な子」犯人逃走から6日間、地元に広がる悲しみの声
NEWSポストセブン