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行司は裁くだけではない 掃除や宿泊の手配などかなり多忙

行司には知られざる苦労も(時事通信フォト)

 立行司・式守伊之助(58)のセクハラ問題で注目された大相撲の裏方たち。ちなみに角界では行司以外の“裏方”にも階級があり、呼出には「立呼出」を頂点に9階級、力士の髷を結う床山は「特等床山」をトップとする6階級がある。

 なかでも行司は最も多忙を極めるという。

「テレビで本場所を見ていると、毎日3~4番を裁いているだけに見えるかもしれませんが、土俵入りの先導、決まり手などの場内放送、『顔ぶれ』と呼ばれる翌日の取組書き、勝敗の記録などがある。本場所前の土俵祭の祭主、番付や取組編成会議での書記など本場所以外でも仕事が多い。これに部屋の掃除や各種の案内状、礼状書きなどが加わります。

 特に巡業中は、バスやホテルの手配から、経理関係、ホテルでの部屋割りを相撲字(極太の楷書文字)で書くといったことまでやる」(若手親方)

 巡業がない2月と6月も、裏方には勉強会などがある。特に若手の行司は習得に10年かかるといわれる相撲字の練習、呼出は太鼓や拍子木の稽古といった基本を行司会監督や兄弟子から徹底して叩きこまれるという。

 伝統ある国技の裏方たち。その仕事は、現代社会の常識では計り知れない部分が大きいのだ。

※週刊ポスト2018年1月26日号

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