それが西郷の“実像”を知る「歴史的発見」に繋がるわけだが、丸谷さんはこう続けた。
「私が顕彰館に預けたのは去年の11月末でしたよ」
あれ? 1か月以上前!? それならもっと早く発表されていてもよさそうに思えるのだが……。
◆船越英一郎にも見せない
丸谷さんも気にしていたようで、「すぐ公表されるものと思っていた」と明かす。年をまたいだ“タイムラグ”の理由は何だったのだろうか。顕彰館の徳永和喜・館長はこう説明する。
「うちの館で西郷南洲翁(隆盛)の愛用品展が1月2日から始まるのでそこで公開すると決めていた。12月には新聞やテレビから『先に見せてほしい』と言われましたが全て断わりました。今後、各地の展覧会に出品することも見据え、保険をかけたり、輸送の下準備なども必要です。そうした手続きをしていたのでこの時期になりました。大河に合わせたわけではありません」
先の『ごごナマ』は船越と共に鹿児島でのロケを行なったようだが、現地で船越が肖像画を直に見ることは叶わなかったという。前出の丸谷氏から真贋確認の相談を受けた西郷の遠縁の若松宏氏が語る。