次に「PB化」について。これまで名店再現系のカップ麺は、日清食品や「マルちゃん」でおなじみの東洋水産といったナショナルブランド(NB)から発売されていた。ところが昨今では、限定された流通やプライベートブランド(PB)から名店系のカップ麺が発売されるようになった。
例えば、冬季限定営業として話題になった山形の行列店「中華そば処 琴平荘 中華そば」や「ソラノイロ監修 ベジソバ」はファミリーマート限定のアイテムとして棚に並んだ。前者は東洋水産、後者は「サッポロ一番」のサンヨー食品が製造を請け負っている。ちなみにサンヨー食品はローソン限定の「金色不如帰
濃厚貝だし醤油そば」 も手がけていて、製造元も群雄割拠の様相を呈している。その他、イオン限定の「札幌味噌ラーメンの名店 白樺山荘」の製造元は日清食品だ。
しかし何といっても強烈なのは、流通最大手のセブン&アイ。自社のPBブランド「セブンプレミアム」から「Japanese Soba Noodles 蔦 醤油Soba」(東洋水産)、「鳴龍
担担麺」(日清食品)というミシュラン星つき店のアイテムを発売。さらには、蒙古タンメン中本やIPPUDO香港(ともに日清食品)など話題の店を次々に自社PBに連れてきている。
直近の家計調査でもカップ麺の消費は伸び続けている。2015年に3365円だった支出は2016年には3586円と続伸した。麺だからと言って伸びてはいけないなんてことはない。むしろ伸びるからこそ麺であり、伸びない麺なんてつまらない。