ビジネス

民泊の「合法解禁」迫る 有名企業も続々参入・提携へ

6月の法施行に合わせて全国で解禁される民泊

 今年に入り民泊をめぐる動きがにわかに活気づいている。法整備による事実上の“合法解禁”が迫っているからだ。あらゆる企業が続々と参入する民泊事業の最新動向を、ホテル評論家の瀧澤信秋氏がレポートする。

 * * *
 6月15日の「住宅宿泊事業法(※注)」施行を控え、民泊事業者はもとより、旅行業界をはじめ、不動産など関連・周辺業界の動きがにわかに活発化している。

※住宅宿泊事業法(民泊新法)/全国で民泊を解禁する法律。個人や企業が自治体に届け出れば、一定条件をクリアすれば年間180日を上限に民泊の営業ができるようになる。地域性に合わない場合は、都道府県や東京23区が営業日数や地域を制限する条例を制定することも可能になる。

 昨年JTBが、自治体の認可を得た民泊のみを扱う民泊運営サービス、「STAY JAPAN」の運営会社である百戦錬磨へ資本参加するというニュースが報じられた。JTBといえば、ホテル・旅館と共存共栄というイメージのリアルエージェントだけに業界では衝撃が走った。

 オンラインエージェントの動向も慌ただしい。楽天グループの民泊事業会社が、楽天トラベルへ民泊施設の在庫供給を発表、2018年9月頃には一般のホテルや旅館と並んで民泊施設が掲載されるという。

 トラベルエージェントはもとより、旅行比較サイトではいち早く民泊の取り扱いをスタートさせている。

 ベンチャーリパブリックが運営する「Travel.jp」では、すでに業務提携するAirbnbの掲載物件について国内ホテル領域での横断検索を開始している。Travel.jpでは、旅行ナビゲーターによる旅行情報サイト「たびねす」が人気で、民泊を利用した旅の周知にも力を入れる。

 旅行業界ばかりではない。不動産情報サイト「SUUMO」を運営するリクルート住まいカンパニーは、Airbnbとの業務提携により民泊関連事業への参入を発表した。

 SUUMOへ掲載されている物件の管理会社やオーナーへ空き室の民泊活用を提案するという。さらには民泊運営の支援も行うということで、シェアリングエコノミー・宿泊施設としてはもちろん、不動産物件の収益向上という観点からも民泊は注目されている。

 住友林業も民泊事業への参入を表明、百戦錬磨と業務提携契約を締結した。住宅ストックを公認民泊施設として活用する観点から民泊事業へ参入し、地方創生に根ざした古民家再生など新たな事業領域の創出を狙う。

 百戦錬磨はANAセールスとも提携。STAY JAPANへ掲載されている施設を扱う、航空券付き旅行商品をタイナミックパッケージで販売するという。いずれも、遊休不動産活用法の一つとして民泊が活用されているといえる。

関連記事

トピックス

自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン
暑くなる前に行くバイクでツーリングは爽快なのだが(写真提供/イメージマート)
《猛暑の影響》旧車會が「ナイツー」するように 住民から出る不満「夜、寝てるとブンブン聞こえてくる」「エンジンかけっぱなしで眠れない」
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日のなかベビーカーを押す海外生活》眞子さん、苦渋の決断の背景に“寂しい思いをしている”小室圭さん母・佳代さんの親心
NEWSポストセブン
自殺教唆の疑いで逮捕された濱田淑恵被告(62)
《信者の前で性交を見せつけ…》“自称・創造主”占い師の濱田淑恵被告(63)が男性信者2人に入水自殺を教唆、共謀した信者の裁判で明かされた「異様すぎる事件の経緯」
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン