アイドルは立派な空箱、なかに何も入っていない。だから、歌手、バラエティタレント、俳優といった多種多様な生業を受け入れられる。演出があってこそ、輝く人材がアイドル。そもそも、丸投げされて、どーこーの人達ではない。
一連のAbemaTVの放送で、初めて3人の素に近い部分を知った。演出という過剰な香辛料を除いた彼らは、妙に幼なく映る。空箱になるために、自分を消す自制心。自らを律し続けた、特異な3人の素顔はとっても無垢だ。
番組を見ていて、中居と木村を想う。彼らがいたから、SMAPは”大人”だった。日本一の司会者と日本一のカリスマ、両エースがどっしりと構える。だから3人が自由でいられたんだ。
唯一の既婚者である木村は、家長としてのオーラがあった。
また、中居は「SMAPは楽屋では全然話さない」とネタにしていた。漏れるのは、ベタベタな友情関係じゃ事運ぶはずないじゃん!といった大人のモラル。キラキラだけじゃない、殺伐とした現場を語る面があったから、男も共感できた。
しかし、メンバーが窮地に立てば、残りの4人はSMAPを全力で支える。血判を押した5人の友情は、時折出るから萌えるんだ。
新しい地図は、木村のどっしり感もなく、中居のように楽屋オチの技術もない。ゆえに、3人は童心に返ったように友情を語りまくる。若手アイドルならまだしも、40歳を超えた男達が語る友情は、どこかサムい。
ただ、番組内で唯一爆笑できた箇所があった。香取が焼肉を41枚食べるチャレンジ中、稲垣は肉を焼くサポートに勤しむ。
箸で肉を炙りながら、稲垣「僕らも焼肉行くもんね」と一言。
SMAPが解散した際、木村を除いたメンバーで焼肉を食べたのは有名な話。このエピソードにちなんでいることは明白だ。
ポロリと漏れた稲垣のブラックジョーク、ここだけは最高! 今後の「新しい地図」の注目ポイントは”黒稲垣のガチっぷり”これに限る。