「たとえば、配偶者である夫は皇族になるのか、また、お二人の間に生まれたお子様は皇位継承権を有するのかなど、簡単に結論が出る話ではありません。女性・女系天皇という皇位継承の問題と切り離して議論することもできないでしょう」(山下氏)
こうした複雑さが伴うため、議論が先送りされてきた経緯がある。
「しかし、結婚延期によって生じた2年間という期間があれば、じっくり検討することが可能になるのではないか」(宮内庁関係者)
その議論に大きな影響を与えるのが、退位を控える天皇の存在だ。天皇は2016年8月のお気持ち表明で「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ」ていると述べた。皇室の将来に対する不安を言葉にしたのだ。
「陛下はかねて皇族の減少を憂慮されてきた。眞子さまのご結婚が延期されたことで、改めて眞子さまや佳子さま、愛子さまの将来に関して、議論する機運が生まれることは、宮内庁としても歓迎すべきこと。小室家の金銭面での問題が報じられたことで、やはり結婚後も宮内庁がサポートすべきという意見も出ている。安倍首相は女性宮家に消極的ですが、さすがに今の状況で2年間議論を放置するのは難しいのでないか」(同前)
眞子内親王は結婚延期にあたり、〈今、私たちは、結婚という人生の節目をより良い形で迎えたいと考えております。そして、そのために二人で結婚についてより深く具体的に考えるとともに、結婚までの、そして結婚後の準備に充分な時間をかけて、できるところまで深めて行きたいと思っております〉と語った。ご結婚を〈より良い形〉にするためには何が必要なのか。それは、決してお二人だけの問題ではない。
※週刊ポスト2018年3月2日号