国際情報

中国の若者 SNSで覚せい剤のつくり方を学ぶ時代に

中国の麻薬汚染は広がる一方だという(写真:アフロ)

 中国の麻薬汚染は深刻の度を増しているようだ。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 中国で“毒品”といえば麻薬を意味する言葉である。青少年への麻薬汚染の広がりは、もう10年以上も前から中国社会に重くのしかかる課題となっている。なかでも、地方における麻薬汚染の浸透は深刻の一言に尽きるようだ。

 麻薬に溺れる者には二種類あるとされ、一つは金持ちの道楽として麻薬に手を伸ばすパターンであり、もう一つは貧困者が溺れるパターンだ。いずれも若年化が心配されてきたのだが、昨今の問題は、販売と製造に若年化の波が押し寄せ、同時にアンダーグラウンドの傾向が消えつつある。

 分かりやすく言い換えれば、普通の人々が簡単に製造や販売に関わる時代が訪れているということだ。昨年末、それを象徴するニュースが中国を騒がせた。

 発信元は『中国新聞ネット』である。タイトルは、〈1990年以降に生まれた女子、SNSグループで覚せい剤のつくり方を学ぶ グループのなかにはミャンマーへ行って研修を受けた者まで〉である。

 まさに世も末だ。山西省呂梁市の公安が昨夏に摘発したグループを取り調べる中で明らかになってきた事実だという。

 この犯罪グループは麻薬の製造・販売のほか、公文書や印章の偽造、わいせつ物の違法販売、ニセ薬の製造・販売、ネット賭博犯罪、個人情報への不正アクセス、密入国の手引きまでありとあらゆる犯罪に関与していたことがわかっている。

 グループには資金提供者がいて、その援助の下で麻薬製造を学んでいたという。アンダーグラウンドの世界にも留学制度ができつつあるのだろうか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・イメージ 写真はいずれも当該の店舗、販売されている味噌汁ではありません)
《「すき家」ネズミ混入味噌汁その後》「また同じようなトラブルが起きるのでは…」と現役クルーが懸念する理由 広報担当者は「売上は前年を上回る水準で推移」と回答
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン