国内

自転車事故 最大9521万円の賠償額も

自転車事故でも高額の賠償を求められる(写真/アフロ)

 事故が起きたのは2月7日午後3時。商店街を歩いていた米澤晶子さん(77才)に、1台の電動自転車が衝突した。運転していたのは、20才の女子大生だった。

「事故当時、彼女は左手にスマホ、右手に飲み物を持ち、左耳にはイヤホンをしていた。警察の取り調べに、『衝突するまで気づかなかった』と話していますが、そもそも両手が塞がっており、通行人に気づいたとしてもブレーキをかけられる状態ではなかったとみられています」(全国紙記者)

 2月15日、神奈川県警麻生署は、女子大生を重過失致死容疑で横浜地検に書類送検。近く検察が起訴等の処遇を決めた。そして、今回の事故では、加害者の女子大生は「重過失致死罪」の容疑で書類送検された。「重過失致死罪」には、重大な過失により人を死傷させた、という場合に適用されるもので、5年以下の懲役・禁固又は100万円以下の罰金が科せられる。

 たかが自転車という軽い気持ちでは済まされない現状がある。これまでの自転車事故の賠償額もそれを物語っている。

 例えば、2013年7月神戸市の住宅街の坂道で、小学5年生の少年が運転する自転車と、通行人の62才女性が衝突し、女性はその後意識が戻らず、寝たきりになったという事故では9521万円の賠償額が求められた。

 また、2008年6月男子高校生の運転する自転車が車道を斜めに横断中、対向車線を直進してきた24才男性の運転する自転車と衝突する事故が起きている。これにより、男性には言語機能喪失などの重大な障害が残った。そして、求められた賠償額は9266万円だった。

 2003年9月にペットボトルを片手に持ちながら自転車を運転していた男性が、横断歩道を歩行中の38才女性と衝突。女性は脳挫傷で3日後に死亡した。この事件では、6779万円の支払いが求められた。

 2007年4月には、信号無視で交差点に進入した男性と、青信号で横断歩道を歩行中だった55才女性が衝突。女性は頭蓋内損傷で11日後に死亡。5438万円の請求がなされる。

 他にも、2014年1月信号無視で交差点を直進した男性が、青信号で横断歩道を歩行中だった75才女性に衝突。女性は脳挫傷で5日後に死亡。4746万円の支払いが求められる。

 2005年9月男子高校生が信号無視で交差点を走行中、62才男性が運転するオートバイと衝突。男性は頭蓋内損傷で13日後に死亡。4043万円の請求がなされた。

(注:数字は日本損害保険協会資料を基に編集部作成)

※女性セブン2018年3月8日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
AIの技術で遭遇リスクを可視化する「クマ遭遇AI予測マップ」
AIを活用し遭遇リスクを可視化した「クマ遭遇AI予測マップ」から見えてくるもの 遭遇確率が高いのは「山と川に挟まれた住宅周辺」、“過疎化”も重要なキーワードに
週刊ポスト
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト