芸能

大杉漣さんの矜持 ピンク映画出演を低く見られるのを嫌った

映画界の大きな損失に(時事通信フォト)

 仲間たちに囲まれた最期だった。2月21日、俳優の大杉漣が急性心不全で亡くなった(享年66)。大杉ら名脇役と言われる俳優5人が出演するドラマ『バイプレイヤーズ』(テレビ東京系)のロケ終了後、いつものようにホテルで出演者らと食事をし、自室に戻ったところで激しい腹痛を訴え、救急病院に搬送。共演者とスタッフ、家族に看取られるなか息を引き取ったという。

 多くの関係者が追悼コメントを出した。互いに駆け出しの頃からの仲だという映画監督の滝田洋二郎氏は「40年前から、ともに無我夢中で突っ走って一緒に泣いて笑った同志」とNHKなどの取材に答えた。大杉と親交があった映画評論家の秋本鉄次氏はこう言う。

「実は滝田監督と大杉さんはともにピンク映画出身で、その頃からの付き合いなんです。大杉さんは舞台俳優からピンク映画へと活躍の場を移し、10年ほどピンク映画に出演した後、オーディションで北野武監督に見初められて、北野作品の常連となり、世間にその名が広まったのです」

 報道などでは舞台俳優から低迷期を経て北野映画出演により脚光を浴びたとされているが、実はその間、ピンク映画界では実力派俳優として知る人ぞ知る存在だった。

 大杉は、これまで日本アカデミー賞をはじめ、数々の助演男優賞を総ナメにしてきた。その役者人生において唯一、「主演男優賞」を受賞したのが、1984年のピンクリボン賞である。日本の映画賞の一つブルーリボン賞に対抗して、ピンク映画を盛り上げる目的で作られたものだった。

 受賞作は“同志”である滝田監督の『連続暴姦』(1983年公開)というエロティックサスペンス映画だ。

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