国内

靴下生産量全国1位は奈良県、国内シェアは35%

奈良靴下の特長は履き心地のよさ

 後期旧石器時代から江戸時代にかけての池田遺跡が有名な、奈良県大和高田市。3月下旬から4月上旬にかけては、大中公園を中心に、高田川の両岸南北約2.5kmにわたり、見事な桜のトンネルが続く“高田千本桜”が人々に親しまれている。

 また、隣接する広陵町も数々の古墳を有し、春になれば里合橋を桜が埋め尽くす。そんな、古代ロマンあふれるこれらの場所は、100年前から靴下の町として発展してきた場所だ。

 ところで、全国で1年間に作られる靴下は、なんと約2億8550万足というが、そのうちの約4割が奈良産なのはご存じだろうか。

「奈良の靴下生産量は、ストッキングなどを含めると、国内シェア約35%(2017年時点)で全国1位なんです。ソックスに限れば、約63%を占めています。靴下の生産は、明治43年に大和高田市と広陵町で始まりました。

 もともとこの場所は、奈良盆地にあり、降水量が年間1500mmしか降らず、水不足に悩まされていました。そのため米造りには向かず、江戸時代から綿が作られていて、それが靴下作りにつながっていきました」(奈良県靴下組合の砂山七郎さん・以下同)

 奈良靴下の特長は、なんといっても履き心地のよさにある。綿だけでなく、地元産の素材“葛”の根を練り込んだ葛和紙繊維などが使われ、長時間履いても疲れないように設計されている。

「つま先からかかとまでの工程を、職人が一つ一つこだわって作っています。つま先を縫う時は、一足、一足裏返しにしてミシンをかけて、職人の手で仕上げているのです」

 昨今、3足1000円のお手頃価格の靴下も多いが、靴下組合が開始したブランド『The Pair』の靴下は、1足1000~2000円とちょっと高め。だが素材がしっかりしており、履き心地もよく、かかとにフィットするデザインで、長持ちすると評判だ。

 最近は、靴下ソムリエ資格認定試験を実施。靴下を製造する会社が約40社もある広陵町では、毎年、『靴下の市&地域特産品交流フェア』(今年は4月21~22日)を行っている。

 ちなみに、今年の春はパステル調や、赤をアクセントにしたフェミニンなタイプの靴下がスカートにも合わせやすいと人気だ。

※女性セブン2018年3月22日号

関連キーワード

トピックス

俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
AIの技術で遭遇リスクを可視化する「クマ遭遇AI予測マップ」
AIを活用し遭遇リスクを可視化した「クマ遭遇AI予測マップ」から見えてくるもの 遭遇確率が高いのは「山と川に挟まれた住宅周辺」、“過疎化”も重要なキーワードに
週刊ポスト
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト