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レスリングのパワハラ疑惑 吉田と伊調は一歩も引けない関係

パワハラ告発の目的はどこに

 オリンピック4連覇を成し遂げた女性レスリングの伊調馨選手(33才)に対するパワハラ疑惑が、『週刊文春』で報じられた日本レスリング協会の栄和人強化本部長(57才)。疑惑のきっかけは、1月18日に内閣府の公益認定等委員会に提出された告発状だった。

「2004年のアテネ、2008年の北京で金メダルを獲得した伊調が、北京後の2009年に、高校時代から指導を受けた栄氏のもとを離れて拠点を東京に移し、別のコーチに師事した。その頃から、“伊調の指導をするな”など栄氏からの圧力が始まったと記されています」(スポーツ紙記者)

 伊調を指導したのは、アテネ五輪で銅メダルを獲得した田南部力コーチ(42才)。2009年当時、全日本男子のコーチを務めており、伊調は田南部氏のつてで男子選手に交ざっての練習を続けた。

「伊調は2012年のロンドンで3連覇を果たしましたが、その後、パワハラはひどくなり、全日本男子の合宿への参加も栄氏らによって妨げられるようになったとされています。2016年のリオ五輪で伊調が4連覇した際には、栄氏が“吉田(沙保里)の4連覇より、伊調が負けるところを見たい”という趣旨の発言をしたと告発文に記されており、埋めがたい溝ができていたようです。リオ後には、伊調は田南部氏が所属する警視庁レスリングクラブの出入りも禁止に。同時に、田南部氏も警視庁と全日本男子のコーチを外されたとされています」(前出・スポーツ紙記者)

 伊調の練習場を奪い、コーチへ圧力をかけたというのが、栄氏の疑惑の要点だ。伊調が達成した五輪4連覇は女子の個人種目で史上初。次回東京五輪では前人未踏の5連覇も期待されていたが、告発の内容が事実ならば、記録更新は不可能だろう。

◆密度が濃すぎる師弟関係

 告発状は五輪経験者を含むレスリング協会関係者からの依頼で弁護士が作成したものだが、当事者である伊調自身は《『告発状』については一切関わっておりません》とコメントしている。

 何が目的なのか、真実はどこにあるのか──。取材を進めると、栄氏の愛弟子である吉田沙保里と袂を分かった伊調馨、国民栄誉賞選手2人の相関が浮かび上がってきた。レスリング関係者が明かす。

「吉田と伊調のスター性を利用した場外乱闘ですよ。吉田の成績と共に認められた栄氏と、コーチとベッタリするのが嫌いな伊調と距離を置きつつうまくコントロールして名をあげた田南部氏のいわば代理戦争です。吉田と伊調の仲は悪くはなかったのですが、今や両者とも一歩も引けない状況だと思います」

 双方、コーチとの結びつきは強い。

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