やはり『緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦』の成功が大きいのは間違いないでしょう。昨秋2度に渡って視聴率で大河ドラマ『おんな城主 直虎』(NHK)を上回ったほか、今年1月も各局の正月特番が並ぶ中、13.5%(ビデオリサーチ、関東地区)で自己最高を更新。数字も話題性も右肩上がりの状態を見て、マーケティングの観点から視聴者ニーズを確信し、「同じような金脈を探し当てたい」と考えるのは自然な流れでしょう。
もともと日曜の20~21時台は、日本テレビの『世界の果てまでイッテQ!』『行列のできる法律相談所』が独走状態であり、フジテレビは苦境にあえいできました。『フルタチさん』『ニュースな晩餐会』『オモクリ監督~O-Creator’s TV show~』、ドラマ枠、そして『ニチファミ!』の前身である単発特番枠『日曜ファミリア』など、「さまざまなタイプの番組を手がけてもうまくいかなかった」という苦い歴史があるのです。
一方、テレビ東京の『日曜ビッグバラエティ』は、前身の『日曜ビッグスペシャル』から数えると、実に42年の放送歴を誇る日本屈指の単発特番枠。長い歴史を持つため、2時間の単発特番を見ることに慣れた視聴者、「今週はどんな企画かな?」と内容で見るかどうかを決める視聴者が、確実に存在します。
さらに、『緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦』が高視聴率を獲得したことで、「この視聴者層なら『イッテQ』『行列』とかぶらず高視聴率を狙える」ことが証明されました。また、苦境が続くとは言えフジテレビには、「番組制作力や予算を踏まえれば、テレビ東京と十分勝負できる」という自負もあるでしょう。
◆視聴率は苦戦必至も、思わぬ追い風が