そんな中、なぜ名古屋の『BG~』視聴率がここまで高いのか。メ~テレでは第3話までの視聴率が出た後、「初回から第3話までの平均視聴率は21.1%」なる見出しを付けたプレスリリースを出していて、その際、筆者はコメントを依頼された。
「名古屋の視聴者は新しいものを取り入れるのが上手」「完全オリジナルの『BG』とスタイリッシュな木村拓哉さんとは相思相愛の関係」などと理由を挙げさせてもらったが、正直なところ、芯を食った答えを見つけるまでには至らなかった。第2話の視聴率が突出して良かった背景には前夜に降った大雪の影響で在宅率が高かったことも挙げられるのだ。
手前ミソになるのだが、名古屋で『BG~』の視聴率が高い最大の理由は、朝帯の情報番組『ドデスカ!』(メ~テレ)での番宣の力ではないか。
愛知、三重、岐阜の東海3県の朝6時台と7時台、民放各局は『ZIP!』『あさチャン』『めざましテレビ』をオンエアしている。つまり他局は在京局の番組をそのままネットしているなか、唯一、自社制作の番組を届けているのがテレビ朝日系列のメ~テレなのである。
2時間の番組中、エンタメコーナーは、スポーツ紙の芸能面を紹介するコーナーが6時台と7時台に2チャンス、テレビ朝日から配信された芸能のVTRを7~8本紹介するコーナーが6時台後半に1チャンス、そして7時台後半には毎日独自の芸能ネタをオンエアしている。
『BG~』がある木曜日は初回の朝から「見どころ」VTRやキャストの相関図などを長尺で流し、第1話の視聴率を待った。
結果は20%の大台超え。以降、毎週、「見どころ」をオンエアすると同時にメ~テレの宣伝部とメ~テレの東京編成部が連携し、テレビ朝日に「木村拓哉インタビュー」のオファーをしていた。
系列局とはいえ、このハードルは、ひじょうに高い。ただでさえドラマの現場は、そうそう取材を入れないものだ。テレビ誌など、ペンの取材ならまだしも、別カメラで現場を撮るとなると別班スタッフは最低でも3人。正直言って「邪魔」だし、多くの現場は取材をシャットアウトしているものだ。
とはいえ、テレビ朝日の宣伝部からネット局に温かいお声がかかることも。たとえば米倉涼子主演『ドクターX~外科医・大門未知子~』オンエア時にもメ~テレは現場取材や米倉へのインタビューを実現している。エンタメコーナーを仕切る同局の上坂嵩アナが東京まで出向き、院長回診やカンファレンスの場面で白衣を着て「御意」の台詞をもらった経験ももつ。