森友文書にはもともと、籠池氏の発言として、
《「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人から『いい土地ですから、前に進めてください。』との言葉をいただいた。」》
という記述があった。さらに、籠池氏が、《森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示》したという文言もあった。しかし、それらの言葉は財務官僚の手によって忽然と消されていた。
「もともと近畿財務局はムリな値引きを迫る森友側との交渉に乗り気でなく、契約破棄まで考えていました。ところが2015年9月に昭恵さんが小学校の名誉校長となると風向きが一変し、一気に交渉が進みました。決裁文書から昭恵さんの名前や『本件の特殊性』という文言を削除したことは、彼女の影響力がいかに強かったかを逆に物語っています」(前出・全国紙政治部記者)
森友文書の書き換えが発覚し、この1年間、安倍首相や政府がウソの資料をもとに説明を繰り返していたことが明らかになった。それでもまだ安倍政権は逃げの一手を打っている。
「麻生財務相は会見を開き、“書き換えは佐川氏を中心とした財務省の一派がやったこと”と説明しました。官僚に罪を被せて、政治は逃げる、ということでしょう。組織のトップである財務大臣が不祥事を受けて責任を取るのは当たり前のことですが、平然と“まだ進退は考えていない”と言う。しかも、事実を隠ぺいする過程で、1人の役人の命が犠牲になりました。そのことをヘラヘラしながら会見で受け答えする大臣の姿を見て、国民はどう思うのでしょうか」(政治評論家・伊藤惇夫さん)
※女性セブン2018年3月29日・4月5日号