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「目上の人への了解」否定で間抜けに見えるリスクが増大

 何はさておき、耳目を集めるために目新しいことを言いたがるのが「マナー業界」の本能。同じように、誰かがもっともらしく言い出して根拠もなく広まってしまった嘘マナーには、たとえば「取引先で出されたお茶を飲んではいけない」と「目上の人の部屋を訪ねるときのノックは3回が正しい」があります。

 お茶を飲んではいけないのは「取引先で出されたお茶を飲むということは、相手の条件を全部飲むという意味になる」から。単なるダジャレで、だからといって相手が「シメシメ」と思うわけがありません。口をつけないほうがよっぽど失礼です。飲む前に「いただきます」、帰り際に「ごちそうさまでした」と言うなどのマナーは必要ですが、この嘘マナーを鵜呑みにして若者にドヤ顔で語ったら、へそで茶を沸かされてしまうでしょう。

「ノックは3回」説も「2回はトイレの時だから失礼」というのが、その理由だとか。どこかのマナー講師が思い付きで言ったニオイがプンプンします。3回もノックしたら、たぶん「うるさいなあ」と思われるはず。ただ事ではない感を演出したいときや、特別な暗号を決めているとき以外は、2回で十分です。嘘マナーを信じて、3回ノックしている若者(とくに女性)がいたら、穏やかな口調で「そんなガセネタを信じちゃいけないよ」と諭してあげましょう。大人の貫禄と包容力に、たちまちノックアウトされるに違いありません。

 マナーの問題は、正解がなかったり時代によって変わったりすることが多々あります。自分の限られた常識に照らし合わせて他人を値踏みしたり、鬼の首を取ったように批判したりすることこそが、最大のマナー違反。どちらもおっさんがよくやっていることですけど、全力でこらえましょう。ま、さんざん鬼の首を取ったように嘘マナーを批判しておいて、最後にこんなこと言うのも図々しいかもしれませんけど。

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