ライフ

社長が集まる「社長祭」 女性へのクサすぎる口説き文句

セレブな飲み会で繰り広げられるのは…

富裕層男性たちが、夜な夜な港区界隈で開いている豪華なパーティー。中でも「男性は社長限定」で開催されている「社長祭」なる飲み会があるという。“祭”に参加したことのある現役港区女子の吉川リサコ氏が、そこで繰り広げられた男と女の駆け引きをリポートする。

 * * *
「社長祭」という飲み会だかパーティーだかに呼ばれたときのことである。そのダサすぎるネーミングの通り、社長交流会のようなパーティーだった。私はまだ当時21歳。女子大生。男性たちはみな、IT系など成長企業の社長だという。

 女子は、知り合いを通じて「ご飯無料だし、出会いもあるよ」なんていう誘い文句でバラバラの環境から呼ばれた子たちである。

 港区の某タワーマンションの広い一室に、生ハムメロンやシャンパン、キッシュにチーズ、ドライフルーツなどがズラリと並んでいた。立食パーティーである。

 女子大生の私は、男性陣を見てもピンと来なくて、生ハムメロンに狙いを定めた。私を呼んでくれた人材派遣会社を経営するショウタは、当時42歳。顔はさまぁ~ずの三村をダンディにした感じだろうか。

 彼は私や私の友人たちに優しかった。暇なときに何人かで会っては、「お腹が空いた!」と騒ぐ私たちを、西麻布の叙々苑游玄亭に連れて行き、たらふくご馳走してくれた。大学の友達何人かと行って、1回のお会計が10万円を超えても嫌な顔ひとつしなかった。といってそれ以上の関係を求めてくるわけでもなく、「若くてよく食べる可愛い子が好き」という気の良いおじさんであった。

 ショウタはすでに仲がよかったからいいが、パーティーに来ている40~50代の男性は、いくら「社長」といえど、目の前の生ハムメロンより優先度は低かった。

 生ハムメロンにフォークを伸ばすと、地方で温泉施設を経営しているという45歳のカンタが話しかけてきた。目を見開き、名刺を差し出しながら、早口で自己紹介する。「このへん、行ったことある? ここで俺、温泉施設やってるの」「年商ン億円あってね~」──空気を読まず、ひたすらトークを展開するタイプの、ちょっとクセの強い感じであった。

 私は愛想笑いをして、生ハムメロンを食べ続けた。

「食欲旺盛でいいなあ」「僕、こう見えて結婚してて、奥さんいて子供3人。地元には愛人もいて、東京で愛人探してるの」
「僕の愛人になったら、温泉タダだよ、スパもタダ。サウナもタダ」

 あんまり惹かれない特典に、私の生ハムメロン欲は一層強まった。いくらお金に余裕があろうが、この手のタイプは何をどうしてもお断りである。

「もしかして人見知り? 恥ずかしがらないで大丈夫だよ」

 なんとポジティブなのだろう。びっくりして顔を上げると、彼は前歯を全開にして、口角に泡をためていた。これでは生ハムメロンもおいしくない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「正しい保守のあり方」「政権の右傾化への憂慮」などについて語った前外相。岩屋毅氏
「高市首相は中国の誤解を解くために説明すべき」「右傾化すれば政権を問わずアラートを出す」前外相・岩屋毅氏がピシャリ《“存立危機事態”発言を中学生記者が直撃》
NEWSポストセブン
3児の母となった加藤あい(43)
3児の母となった加藤あいが語る「母親として強くなってきた」 楽観的に子育てを楽しむ姿勢と「好奇心を大切にしてほしい」の思い
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
神戸ストーカー刺殺“金髪メッシュ男” 谷本将志被告が起訴、「娘がいない日常に慣れることはありません」被害者の両親が明かした“癒えぬ悲しみ”
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
木瀬親方
木瀬親方が弟子の暴力問題の「2階級降格」で理事選への出馬が絶望的に 出羽海一門は候補者調整遅れていたが、元大関・栃東の玉ノ井親方が理事の有力候補に
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン